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  • 2025.09.05

渡邊雄太が愛用するマクダビッド…Alpen TOKYOでトークショーを開催

 McDavid(以下マクダビッド)のブランドアンバサダー・渡邊雄太によるトークショーが9月2日、Alpen TOKYOで開催された。司会を務めたのは、佐々木クリス氏。会場の立ち見エリアにも数多くのファンが詰めかける中、渡邊からマクダビッドとの関わりから今オフの取り組み、NBA時代のエピソードまで様々な話が飛び出した。

大学時代から愛用…プレーの質がかなり上がる
 渡邊が愛用するマクダビッドは、1969年に創業したアメリカ・シカゴ発祥のスポーツメディカルブランドである。いまでは世界70カ国で展開されており、ラインナップもサポーターはもちろん、プロテクトギア「HEXPADシリーズ」やテーピング・アイシングなど幅広い。ユーロリーグバスケットボールの公式パートナーを務めるほか、Bリーグでも多数のクラブをサポートするなど、バスケットボール界を支えている存在だ。

 渡邊も小さな頃から知っているブランドだった。彼は「みんなが憧れるブランドだったので、いま僕が着用させてもらえることは本当にありがたいです。今となっては欠かせないものとなっているので、すごく感謝しています」と話した。

 彼がマクダビッド製品を使い始めたのは、ジョージ・ワシントン大学時代にさかのぼる。「膝にちょっと痛みがあったので、ぶつかったりすると余計に痛みがひどくなるので、膝のパッドをまず使わせてもらいました」と当時を振り返る。いまでは足首のサポーターや、太もものパッドも着用しているという。

 長年、使い続ける理由のひとつとして、渡邊はフィット感を評価している。「着けてはいるのですが、良い意味で気にならない。固いサポーターで、ちょっと動きにくいイメージを持たれると思いますが全然そんなことはなくて、足にすごいフィット感を感じられる。身体の一部みたいに着用することができる」と、彼は説く。

 そして、サポーターやパッドを身につけることで、プレー中に安心感を得られる効果も大きい。渡邊は「パッドがないと太ももに(相手の膝が)入ってしまうのではないか、足首のサポーターを着けていないと捻挫をしてしまうのではないか。恐怖感と一緒にプレーしなきゃいけないので、ただ着けているという安心感だけで、プレーの質がかなり上がってきます」と、心理的なメリットも実感してきた。206㎝のサイズでオールラウンドなプレーが光る彼を見えないところから支えていたのが、マクダビッドだったようだ。

中高生に贈るギア選びの考え方…「相手を守る」
 一方で、この日はBリーグ1シーズン目を終えたオフの様子も、彼から明かされた。日本代表活動をお休みした中、渡邊は「ケガをしにくい身体作り」に着手。その背景は、NBA挑戦に区切りをつけて昨夏日本へ帰国し、千葉ジェッツふなばしでBリーグデビューを飾ったものの、万全ではない状態で戦っていた過去があったからだ。「去年のシーズン前から故障があったので、常にどこかをかばいながら(プレーする)という状態が続いていました。そうなると(身体の)バランスもどんどん悪くなって、別の場所も故障につながってしまう」と、本人は話す。

 そこで夏の身体作りでは、トレーナーに身体全体のバランスを整えられるようなトレーニングプログラムを組んでもらったそうだ。ひとつ一つ、プログラムのメニューをしっかりとやり切る意識で自分の身体と向きあえた甲斐もあって、彼は「すごくいい夏を過ごせたと思います」と手応えを得ていた。

 また、バランスを意識した身体作りはコンディショニングに関連する話題であり、育成年代に通じるテーマとあって、司会の佐々木氏からアドバイスを求められる場面も。渡邊は若い世代に向けて“規則正しい生活”を強調した。「ちょっとでも夜更かしをしたり、ご飯も別にこれぐらいでいいかと(適当に)してしまうと、全部(コンディションに)影響してしまうと思っています。本当に誰でもできる“よく寝る”“よく食べる”がいまだに僕は一番大事だと思います」と語った。

 加えて、サポートギアを選ぶ意識にも話は及んだ。中高生がサポーターの着用を考えたときに、周囲の目や声を気にして迷うことがある場合、どんなアドバイスができるかと佐々木氏から聞かれた渡邊は「自分を守ってくれるメリットもありますが、相手を守る意味もある」と話す。パッドをつける膝や肘は接触によって相手をケガさせてしまう箇所であるが、パッドをつけていれば、相手に“モモカン”を入れることはなくなると指摘。NBAメンフィス・グリズリーズに所属した1年目では、チーム練習で選手全員にパッドの着用が義務づけられていたという。この日は若いバスケットボールプレーヤーたちも訪れており、もし先輩から何か言われた場合には「先輩を守るために着けていますと言えばいいじゃないですかね」と、心強い回答例も示してくれた。

 さらに、トークショーの後半ではファンの質問に答えるQ&Aセッションも行われた。多数の質問が寄せられた中、プレッシャーや緊張への対処法について聞かれると、渡邊は「緊張を抑える方法は、個人的にはないと思っています」とコメント。自分も「めっちゃ緊張するタイプ」とあって「そういう自分を受け入れるしかないと思っています。緊張や不安になったとき、やってきた練習を思い出して、あれだけやってきたから大丈夫と自分に言い聞かせてほしい」とエールを送った。

 また、憧れの選手の一人であるケビン・デュラント(KD)と、NBAブルックリン・ネッツでプレーした当時も回顧した渡邊。佐々木氏から「KDと一緒にプレーできたのはドリームズ・カム・トゥルーの一つだったんですね」と聞かれると、彼は「やっている時は必死だったので、そこまで何か多くを感じることはなかったのですが、日本に帰ってきて改めてあの時を振り返ったり、たまに映像を見たりすると、本当にKDと一緒にプレーしてたんだっていう不思議な気持ちになることはあります」と感慨深い様子で語った。

 渡邊雄太の魅力や考え方を知る機会となったこの日のトークショー。クロージングの抽選会では、ラッキーな3名のファンがサイン入り色紙をゲットし、記念撮影も行われた。ファンとの貴重な交流の時間が彼の今後の力となり、10月から始まる新シーズンで昨シーズン以上の活躍につながることを期待したい。

渡邊雄太が愛用するマクダビッド…Alpen TOKYOでトークショーを開催

TEXT by Hiroyuki Ohashi



PHOTO by Kasim Ericson

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