ALLDAYから世界へ!YUKKEとMC MAMUSHIが「SUMMER JAM 2025」への心境を語り尽くす
「ALLDAY FALL 2024」を制覇した22BASKETBALLの海外挑戦が近づいてきた。代々木の王者になった彼らは、南半球最大のストリートボールトーナメント「SUMMER JAM 2025」の出場権を獲得して、2月7日から9日にオーストラリアで開催される本大会へ挑む。チームリーダーのYUKKEとALLDAY MCのMAMUSHIに昨秋から今に至る心境を語り尽くしてもらった(取材日:1月27日)。
優勝の裏話…YUKKEが明かす「大変」だったこと
――22BASKETBALLのリーダーとして「ALLDAY FALL 2024」で初優勝しました。いま振り返って、どんな大会でしたか?
YUKKE とにかくALLDAYで優勝したいという思いでずっと臨んできて、やっと優勝できました。大会を振り返ると、最終日はタフでしたね。TOP16、準々決勝、準決勝はどれも3点差で、決勝でも最後は点差をつけましたが、前半は我慢の展開でした。
――そんなYUKKEの活躍を、MCとしてはどう見られていましたか?
MAMUSHI ホストとしては19年目のALLDAYが4日間にパワーアップして、秋の大会でSUMMER JAMに送り込むチャンピオンを決めるという初のチャレンジでした。
一方で、YUKKEがALLDAYで悲願の優勝を狙っているのも知っていたので、メキメキ伸びているYUKKEが優勝をしてオーストラリアに行く。すごく(そんなストーリーが)しっくりきています。
その中で特に印象的だったのは、YUKKEが選んだ仲間たちのパフォーマンスの高さですね。でも、それはかなり強くチームをディレクションしていかないとストリートボーラーたちは動かないわけだから、YUKKEがやれたのはすごいと思う。MVPはHAYATEが獲ったけど、たくさんのボーラーが活躍したのを思い出すし、そんなチームを作ったYUKKEに対してのリスペクトが増しました。で、実際にまとめる苦労はどうだったの?
YUKKE 苦労というか大変でした(笑)。連絡を取っているとみんな曲者ばかり。試合の日に集合時間通りに来ないし、話も全然聞いていない感じもするし、良くも悪くもプライドの高い選手たちが多いんです。一番キャリアのない自分が彼らを納得させるのは、大変だと感じながらやっていました。
MAMUSHI チームをまとめる以上、自分も責任を取らなければいけないしね。他のチームを見ていても強烈にやれているところは少ないし、世代の幅もあると遠慮も出てくる。
でも、良い意味でYUKKEは遠慮しないで、みんなと向き合えるから良いよね。その姿勢は、もっと他のボーラーにも伝わってほしいな。あの大会で、チームがまとまったと感じた試合はあった?
YUKKE 山場だったのは準決勝のMP3戦ですね。みんなで「ここを乗り越えなければいけない」と試合前に話していました。というのも春のALLDAYはベスト4で負けていたんです。準決勝も後半残り1分半ぐらいで7点差ぐらいの負けから、タイムアウトでみんな一気に気持ちが入って、ディフェンスで挽回できました。MP3戦でチームとして良くなれたからこそ、その勢いで優勝できたと思います。
――MVPが獲れなくて「悔しい」とも言っていましたが、その気持ちは今も?
YUKKE いや、もうそんなにないです(笑)。
MAMUSHI どうしても1回では上手くいかないと思うんだよ。今回はYUKKEもMVPに値したけど、HATATEも素晴らしかったし、これからも出続けてくださいね(笑)。
YUKKE はい(笑)!
MAMUSHIも驚き。子どもたちの「YUKKEだ!」
――YUKKEの近況もうかがいたいのですが、昨年末にはTACHIKARAの撮影に参加されたと聞きました。どんな現場だったのですか?
MAMUSHI TACHIKARAでユース世代を応援する企画書を僕が書いて、大阪のKAGOクラブにうかがうタイミングですね。YUKKEを誘ったら快く来てくれて、もう現場に着くや否や子どもたちが「YUKKEだ!YUKKEだ!」って、強烈に喜んでくれたし、KAGOさんから「また来てください」と好評だったよ。
これからもYUKKEが子どもたちと触れ合う機会を作りたいと思うけど、自分としてはどうだった?
YUKKE 僕の勝手なイメージでは、KAGOクラブの子たちは真っ直ぐにバスケットボールをしているイメージがあったから、あまり自分のことを好きじゃないと思っていました(苦笑)。緊張もしながら行ったんです。
でも、子どもたちからの反応が予想以上に大きくて嬉しかったです。若い子たちが僕を知ってくれていていたので、今までバスケも発信も色々とやってきて良かったなと思っています。
MAMUSHI そのときYUKKEが履いてたニューバランスのバッシュを掲げて「欲しい子いる?」と言ったら、すごいワーッと盛り上がって即席のじゃんけん大会が始まったよね。むかし俺が見てたプロアスリートがやるような動きだったから印象的だったな。
――2025年に入ると中国に行ったそうですね。改めて何をしに行ったんですか?
YUKKE 1on1をやるために中国へ行きました。中国で活動しているバスケットボールチームからオファーをもらって、アメリカで話題になっているJLEW(ジェイルー)という選手と100点マッチの1on1をすることになって。初日に100対93で勝って、2日後にまた再戦させられたのですが100対34で勝ちました。
MAMUSHI ずいぶんボコボコに。
YUKKE 他にも中国の元アンダーカテゴリー代表の選手と戦って勝ち、どんどん強い相手が用意されて、中国の1on1の大会で優勝したチャンピオンなど有名な選手たちとやるなど、1週間で5試合もやりました(笑)。
あと、夜10時ごろに大会が終わると、車で次の開催地まで4時間ぐらい移動するので、それも大変でしたね。
MAMUSHI 1試合、どのくらい時間がかかるの?
YUKKE だいたい1時間40分ぐらいです。滞在中は1日だけオフがあったんですけど、本当にきつかったですね。
――ファイトマネーや優勝賞金はあるのですか?
YUKKE オファーの時点で頂ける金額が提示されます。ただ面白い試合をすると、会長と呼ばれるバスケットボールチームの偉い方から、ボーラーへボーナスが出る場合もあるみたいです(笑)。
MAMUSHI 大変だったエピソードはある(笑)?
YUKKE 中国の1on1のチャンピオンと対戦したときは、フィジカル差を突かれて過酷でした。190センチ、86キロぐらいある選手に対して、僕は170㎝で、体重差は15キロぐらい。ひたすら100点までポストアップされて押し込まれたので、もう上半身が筋肉痛でした。ヤバかったです。
トレーニングを積んで増量。理想的な体に
MAMUSHI 刺激的な年明けでしたね。それで去年はSOMECITYもALLDAYも欲しいタイトルは全て獲った中で、今年はどんな年にしたい?
YUKKE だから、どうしたらいいですかね(笑)。2024年は結果にこだわりたくて「今年は勝ちたい」という強い思いを持って、1年を過ごしていました。ずっと獲りたいと思っていたタイトルを獲れて目標達成ができた1年でした。
それでも、気持ちをリセットするためにALLDAYが終わった後、2週間ぐらいはゆっくりしていたのですが、中国での1on1やSUMMER JAMも決まって、日本で獲りたいタイトルを獲ったので、次はどこを目指すのか考えたら世界と戦うしかないなと。そのために体作りが必要だと思って、ひたすらトレーニングしてきました。
――どこで、どんなトレーニングをしたんですか?
YUKKE アジリティ強化と体重アップです。仙台にあるEast Coast Parkの併設ジムで、下半身と上半身のウェイトトレーニングを積んでグレードアップさせました。
自分一人でSNSやYouTubeで調べ、特にアメフト選手のトレーニングを参考にして、自分で試して効果を感じたら続けて、ダメだったらやめてと、いろんな角度から研究しました。あと、食事の量も増やしたんです。
MAMUSHI 頑張って食べたんだ。本当はお菓子もジュースも好きなんだっけ?
YUKKE めちゃくちゃ好きなので、我慢しているんです(笑)。
MAMUSHI それで去年の秋からどれくらい増えたの?
YUKKE 6キロぐらい増量ができました。
MAMUSHI 確かにゴツくなったね。体重が増えることでプレーに影響は無かった?
YUKKE 影響の出た時期もありましたけど、それを乗り越えて今68キロぐらいの体重で動ける理想的な状態を作れています。スピードも落ちず、体も強くなって、シュートタッチも良い感じです。
MAMUSHI 昔、膝の大ケガしたけど、影響もほとんどないの?
YUKKE 痛みが出るときもありますが、ちゃんとケアをしているので心配していません。1週間で100点マッチを5試合しなければ大丈夫です!中国はどの会場に行っても「氷は無いよ」と言われたので、キツかったですね(笑)。
SUMMER JAMへ…「本当に勝ちに行きます」
――もうすぐSUMMER JAMですが、どんな気持ちですか?
YUKKE 対戦相手やコートの雰囲気は想像できないのですが、優勝しちゃうんじゃないかなという気持ちです。準備ができているから、そういう気持ちになっていると思うので、本当にわくわくしています。チームとしても何回か集まったメンバーと改めて世界に挑戦できるので、戦えると思っています。
MAMUSHI 中国やフランスなど海外で5on5をやっている経験値も持っていますからね。いま、チームでのコミュニケーションはどんな状況なの?
YUKKE 試合以外では集まらないチームなので、LINEでやり取りしています。フィジカル差で苦労すると思うので、体重を増やしながらアジリティを全員で伸ばそうと連絡を取り合っていて、1週間に1回くらい自分からみんなへ「ちゃんとトレーニングやってんのか」みたいなLINEをしています(笑)。
MAMUSHI ALLDAYは10人ロスターだけど、SUMMER JAMは8人だね。メンバーは決まった?
YUKKE メンバーは僕と、MAKOTO、LUKA、RYOMA、TYLOR、ISSA、そしてTAKAです。
MAMUSHI TAKA!ブラザー登場か!でも8人枠なのに、7人でいいの?
YUKKE 知り合いを通じてオーストラリアにいるビッグマンを入れようと思ったんですけど、登録が間に合わなくて……。
MAMUSHI これですよ。早くも逆境を作っている!SUMMER JAMのビデオは見た?
YUKKE いや全く(笑)。
MAMUSHI 自分もチラチラ見たぐらい(笑)。選手は見るからにゴツいけど、ALLDAYで競り倒したMP3も、みんなフィジカルが強かったからね。
――あと優勝賞金は、約200万円もあります。
MAMUSHI そうだよね。しかもSUMMER JAMで優勝したらQuai 54の出場権をゲットできる。ジョーダンブランドのストリートボールゲームの中で世界最高峰の大会だよ。挑戦の先に広がりがあるけど、どう感じているの?
YUKKE やっぱり世界へ出るときに思い出作りの人たちが多いと思うんですよ。でも、僕は全くその気持ちを持っていないし、勝つために準備してきました。ALLDAYの日と変わらず、僕が引っ張って優勝をつかみたいです。
MAMUSHI ルールも違うよね。ディフェンスの3秒バイオレーションはYUKKEたちからしたら追い風だよ。
YUKKE あと得点もアークの内側が1点、外側が2点。アウトサイドシュートの比重が高いので、背の小さい僕らからしたら大きいです。
MAMUSHI 戦略はALLDAYと比べてアレンジはする?
YUKKE 変わらないです。とにかくディフェンスして、リバウンドを獲りたいです。そこで対等に戦えれば、ポゼッションも相手と同じくらい確保できて、オフェンスでも戦えると思います。シュートは僕とMAKOTOが決めなきゃいけない。3ポイントの価値が2倍もあるので、ディフェンスが空けばどんどん打っていくスタイルです。
――では最後に、大会に向けた意気込みを聞かせてください。パスポートを忘れずに空港へ行って、現地からの吉報を待ってます。
YUKKE 本当に勝ちに行きます。結果が無いと思い出作りだと思われますし、僕は勝つためにバスケをやっているので。その思いを持って、オーストラリアでかまします。
MAMUSHI ストリートボールMCをやって20年目、ALLDAYとしても20年目の中で初チャレンジになるんだよね。YUKKEはオーストラリアに挑む一番ふさわしい人物だと思っているし、YUKKEが作る未来を歓迎したいし、支持したいと思っています。
あと向こうへ行って僕ができることなんて、ギャーギャー騒ぐだけ(笑)。いつも通りのバイブスで「Melbourne What’s up」って感じで行ってきます。大会の模様やYUKKEたちTEAM ALLDAYの戦いぶりはSNSで発信するので、ぜひチェックお願いします。彼らは自慢の日本刀のような存在ですから、オーストラリアで猛者たちに立ち向かってほしいね。
【大会情報|SUMMER JAM 2025】
・日程:2月7日(金)~8日(日)男女 予選
2月9日(日)男女 準決勝、決勝
・会場:Peanut Farm(オーストラリア・メルボルン)
・出場チーム数:男子16チーム、女子8チーム
・公式Instagram @summerjamau
現地からの模様はMC MAMUSHIやYUKKEのSNSで発信(予定)のほか、後日YUKKEのYouTubeやFLY magazineでもレポートの予定。お見逃しなく!
・YUKKE @69_yukke
・MC MAMUSHI @mcmamushi
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