サバイバルを勝ち抜いた男子バスケがパリ五輪へ…目標の8強入りへ本日27日に初戦
第33回オリンピック競技大会 (以下パリ2024オリンピック) へ出場する5人制バスケットボール男子日本代表の12名が7月8日、日本バスケットボール協会より発表された。10日には記者会見も設けられて、トム・ホーバス ヘッドコーチと全選手が出席。目標の「ベスト8」へ挑戦するチームがお披露目された。
12名中7人は、東京2020オリンピックの経験者だ。キャプテンの#2 富樫勇樹 (PG/167cm/千葉ジェッツ)を筆頭に、 #6 比江島慎 (SG/191cm/宇都宮ブレックス) 、#8 八村塁 (PF/203cm/ロサンゼルス レイカーズ)、 #12 渡邊雄太 (SF/206cm/千葉ジェッツ )、 #18 馬場雄大 (SF/195cm)、 #34 渡邉飛勇 (C/207cm/信州ブレイブウォリアーズ)の6人は、2大会連続2度目の五輪へ。同オリンピックで3×3代表だった#30 富永啓生 (SG/188cm)は、5人制代表として再び五輪へ出場する。
また、昨夏のワールドカップで活躍した#5 河村勇輝 (PG/172cm/横浜ビー・コルセアーズ)、 #24 ジョシュ・ホーキンソン (C・PF/208cm/サンロッカーズ渋谷)、 #91 吉井裕鷹 (SF/196cm/三遠ネオフェニックス)は初めてのオリンピアンに。そのワールドカップでは代表入りを逃した#4 ジェイコブス晶 (SF/203cm/ハワイ大学)、 #7 テーブス海 (PG/188cm/アルバルク東京)も、メンバーに残った。
国内最後の強化試合で手応えを得たテーブス
その12名のうち、テーブスはサバイバルレースの渦中にあった一人だ。メンバー発表前ラストの強化試合「SoftBank CUP 2024 (東京大会)」のGAME1では不完全燃焼な印象もあった中、GAME2では3番手ポイントガードを争う佐々木隆成 (PG/180cm/三遠ネオフェニックス)とともに出場メンバーに選ばれた。
この日、男子代表は有明アリーナ(東京都江東区)で韓国代表に88-80で勝利を収めて、国内最後の強化試合を締めた。試合後、ミックスゾーンにやってきた本人も、2戦連続のメンバー入りは意外だったようで「予想としては佐々木選手と入れ替わると思っていました。(ヘッドコーチの)トムさんからチャンスは与えられないと思っていたんですけど、今朝ですね。コンボガードしてもう一度ロスターに入れてもらえました」と明かしていた。
そして巡ってきたチャンスで、彼は本来の力を発揮する。6分8秒という限られた出場時間ではあったが、1クォーター途中からコートに立つと、持ち味のアタックからホーキンソンの3ポイントシュートを引き出すアシストを決め、川真田紘也 (C/204cm/長崎ヴェルカ)のダンクにつながるパスも供給。3本のアシストを記録し、ターンオーバーもゼロで出番を終えた。GAME1に比べて、彼の口調も心なしか明るかった。
「今日の出場機会はいつもよりもちょっと短かったんですけど、内容としては今まで自分がこのチームで与えられた役割があって、それを一番果たせたんじゃないかと思います。またプレータイムを延ばして、もっともっとチームに貢献できるようにしたいと思えるような試合ができました」
「控えで出てくると。もちろんミスは極力減らさないといけないですし、チームの流れを保つ、もしくは引き寄せる。これが、僕の役割だと思う。そういう意味ではポイントガードとして富樫さんと1クォーターの途中で出たんですけど、本当にチームへ流れを引き寄せるガードの仕事ができたんじゃないかと思います」
チャンスで輝いたジェイコブス、渡邉飛勇
また、ジェイコブス晶もサバイバルの末に、チーム最年少の20歳でメンバー入りを決めた。GAME2では、23分22秒の出場時間で2本の3ポイントシュートを含む8得点、7リバウンドを記録。9得点7リバンドをマークしたGAME1に続き、インパクトを残した。彼はミックスゾーンで記者からの問いかけに答えた。
「試合の入り方がチームとして良かったし、自分も有明で2試合目でしたし、もう少しナチュラルに行けた気がします。まだまだ良くできると思いますが、前の試合より動けたと思うのでちょっと嬉しいです。 これからも頑張りたいと思います」
当時はまだメンバー発表前だったが、有明で彼が見せた姿は、12名へ名を連ねるに値する活躍だった。記者から2試合を通しての総括を聞かれたジェイコブスも、一定の手ごたえを感じていたようだった。
「すごく嬉しい気持ちがあります。1年前(ワールドカップ前)の韓国の試合でも、(今年6月の) オーストラリアとの強化試合でも、自分を見せられなかった試合が続いていました。この2試合で、まだ100%のものは見せられていないんですけど、ちょっとずつ経験を積み上げられていると思います。自分が動きたいように少しずつ動けているので、この2 試合(の結果)は自分として、とても大きいです」
さらに川真田とポジションを争った末に、メンバー入りを果たした渡邉飛勇も国内最後の強化試合で光っていた。GAME2では、16分38秒の出場時間で持ち味であるディフェンスだけでなく、オフェンスでも奮起。無得点だったGAME1から一転、7得点を奪取した。彼は五輪本番で求められる役割について、10日の記者会見で「まずディフェンスやリバウンド。僕はオフェンスのスキルはあまりないからほかの選手に任せたい」と話していたが、パリでもリバウンドを押し込むような泥臭い得点を再び見たいところだ。
そんな男子日本代表は川真田と佐々木のリザーブ選手を加えて、ヨーロッパで合宿を経て、現地入り。本日7月27日(土)にオリンピック初戦となるドイツ戦へ臨む。沖縄で昨夏48年ぶりに自力でオリンピックの切符をつかむという歴史を作ったように、今夏はパリで五輪8強という新たな歴史を打ち立てる姿を楽しみにしたい。
【選手一覧】 パリ2024オリンピック 5人制バスケットボール男子日本代表チーム
#2 富樫 勇樹 (PG / 167cm / 千葉ジェッツ)
#4 ジェイコブス 晶 (SF / 203cm / ハワイ大学)
#5 河村 勇輝 (PG / 172cm / 横浜ビー・コルセアーズ)
#6 比江島 慎 (SG / 191cm / 宇都宮ブレックス)
#7 テーブス 海 (PG / 188cm / アルバルク東京)
#8 八村 塁 (PF / 203cm / ロサンゼルス レイカーズ)
#12 渡邊 雄太 (SF / 206cm / 千葉ジェッツ )
#18 馬場 雄大 (SF / 195cm / – )
#24 ジョシュ・ホーキンソン (C・PF / 208cm / サンロッカーズ渋谷)
#30 富永 啓生 (SG / 188cm / – )
#34 渡邉 飛勇 (C / 207cm / 信州ブレイブウォリアーズ)
#91 吉井 裕鷹 (SF / 196cm / 三遠ネオフェニックス)
【日程・結果】括弧内は、TV放送予定局
●予選ラウンド—————————–
・7/27(土) 20:30 ドイツvs.日本(NHK Eテレ)
・7/30(火) 24:15 日本vs.フランス(NHK総合)
・8/2 (金) 18:00 日本vs.ブラジル(フジテレビ系列)
●決勝トーナメント————————–
・8/6 (火) 準々決勝
・8/8 (木) 準決勝
・8/10 (土) 3位決定戦
・8/11 (日) 決勝
>>結果詳細は「パリ2024オリンピック 特設サイト」(リンクは外部サイト/FIBA公式)
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TEXT by Hiroyuki Ohashi