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  • 2024.05.24

The legacy of the Tokyo 5

幻のストリートバスケットボールイベントから誕生したスニーカーフリーク垂涎の1足
ストリートバスケットボールは、スケートボードやBMXとともに世界で最も人気のある都市型スポーツとして知られている。元来はアメリカ各地の屋外コートで自然発生的にスタートし、スポーツの枠を超越したライフスタイルの一部であり、若者たちのポピュラーな余暇の過ごし方であった。3on3バスケットボールは、大きな施設を必要としないバスケットボールの新しい形としてストリートバスケットボールから派生。1974年にスタートし、今年50周年を迎えたGUS MACKER(ガスマッカー)が全米各地でトーナメントを開催して、3on3バスケットボールを啓蒙。スポーツブランドも独自の3on3イベントを開催した。現在、3on3バスケットボールは3×3(スリー エックス スリー)として国際バスケットボール連盟(FIBA)によって統括され、以前はルールがまちまちであったが、2007年にルールが統一されたことによって、ストリートスポーツとしてだけでなく、競技スポーツとしても世界各国で愛される存在になり、2021年に開催された東京オリンピックでは正式種目に採用された。DJによる音楽を使った独自の演出も手伝って、まだ新しいこの都市型スポーツの人気を急速に高めることに成功している。

JORDAN BRANDそして、3×3バスケットボールイベント以外にもストリートバスケットボールに関して忘れられないイベントがいくつか存在しており、そのひとつがフランスのパリで2003年より開催されているQuai 54(ケ54)である。屋外コートで熱戦が繰り広げられるトーナメントだけでなく、アーティストのライブパフォーマンスやダンクコンテストも開催されるバスケットボールイベントで、2006年よりジョーダンブランドがスポンサード。世界中のバスケットボールプレーヤーから注目されるイベントとなっている。

一方で日本でもストリートバスケットボールは着実に根付いており、2005年の誕生以来、国内最高峰の5on5ストリートボールトーナメントとして君臨するALLDAY(オールデイ)を始めとして、Legend(レジェンド)やSOMECITY(サムシティ)といった3on3のリーグも生まれ、独自の進化を遂げてきた。そして2011年5月、現在でも語り草となっているストリートバスケットボールのトーナメントが存在している。それがジョーダンブランドのサポートによるJORDAN TOKYO 23である。この大会はALLDAYをベースに前述のQuai 54のような、従来にないスタイリッシュなバスケットボールイベントを日本でも開催すべく企画され、プロのバスケットボールプレーヤーVSストリートボーラーの対戦のような試みにもトライ。2011年5月28日、29日に代々木公園バスケットボールコートで開催予定だったが、残念ながら悪天候のため中止となってしまった。

しかしながら、この大会のために用意された日本限定モデルAIR JORDAN 5 Tokyo 23とJORDAN CP3.IV Tokyo 23はリリースされており、これらのディレクションには日本のヒップホップグループであるNITRO MICROPHONE UNDERGROUND(ニトロ マイクロフォン アンダーグラウンド)のオリジナルブランドであるnitraid(ナイトレイド)のメンバーが参画しており、JORDAN CP3.IV Tokyo 23はジョーダンブランドのエンドースメントプレーヤーで、ニューオーリンズ ホーネッツやロサンゼルス クリッパーズなどで活躍したChris Paul(クリス ポール)のシグネチャーモデルをこのイベントのために特別に配色。AIR JORDAN 5 RETRO Tokyo 23は「これまでにないカラーリングでスニーカーマーケットにインパクトを与えたい!」、「AJ 4 Thunderの黄色は少し明るすぎるのでは…」という想いのもと、山吹色に近い、従来のエアジョーダンのラインアップにはない斬新な色調が採用されることになったという。Varsity maize(バーシティメイズ)と表記されたイエロー系カラーのヌバックアッパーに、踵部分にTokyo 23のオリジナルロゴをミックスしたJORDAN 5 RETRO Tokyo 23は通称Tokyo 5と呼ばれ、日本国内のみの展開で限定1000足という少数リリースということもあり、日本のスニーカーマーケットだけでなく、海外のエアジョーダンファン、スニーカーフリーク垂涎のレアプロダクトとして注目を集めることとなった。「Quai54の関係者からも1足なんとかならないか?」と連絡があったことを筆頭に、海外からの問い合わせが引っ切り無しにあったという。そして2024年、このTokyo 5のカラーリングをJORDAN SPIZIKEへと移植したプロダクトがリリースされる。

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The legacy of the Tokyo 5

TEXT by Masahiro Minai

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