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  • 2024.04.30

『宇都宮 3×3戦記』2016年に世界最高峰の舞台が初上陸

3×3のパリ五輪予選「FIBA 3×3 Universality Olympic Qualifying Tournament 2」(UOQT2)が5月3日(金・祝)から5月5日(日)に、栃木県宇都宮市にあるライトキューブ宇都宮(大ホール)と宮みらいライトヒルで開催される。日本で3×3の五輪予選が実施されるのは初めて。だが、この街にはこれまで世界最高峰の舞台で戦う選手たちの歴史が刻まれている。その模様を振り返りたい(所属、名称等は当時のまま)。

のちの五輪メダリストが宇都宮で優勝
 宇都宮と3×3の歴史は、2016年7月30日にさかのぼる。クラブ世界No.1を決めるツアー大会「FIBA 3×3 World Tour Utsunomiya Masters」が初上陸した。会場は、市内の中心部にある二荒山神社前バンバ広場。1300年以上の歴史がある神社にとって、神様の通り道になる参道にバスケコートが出場する光景は前代未聞だったはず。いま思えば、阿部宮司はよく興行のGOサインを出したもんだ。

 ただ、この街は栃木ブレックスのホームタウン。バスケ熱の高い土地柄とあって、試合前から入場規制がかかるほど多くの観客が集まった。オープニングセレモニーでは神輿が登場するなど、日本らしさ全開で華々しく開幕。2日間の戦いを制したのはNovi Sad Al Wahda(ノビサド アルワダ)だった。のちに東京2020オリンピックで銅メダルを獲得するDusan Bulut(ドゥサン・ブルト)やDejan Majstorovic(デヤン・マイストロヴィッチ)といったセルビアの4人組は、決勝でスロベニアのPiran(ピラン)に21-13で快勝した。MVPのBulutは「(二荒山神社は)象徴的な場所だ。世界中、いろいろな場所でプレーしているけど、とても印象的な大会になったよ」と語った。

日本勢の奮闘、Utsunomiyaは悔しいデビューに
 一方で、宇都宮は日本勢が世界に挑む舞台にもなった。その先駆者はTRYHOOP OKAYAMA.EXEの選手たちを中心としたOkayamaである。2016年から3年連続で出場を遂げるが、その初年度は中国の予選会で2位となって自力で宇都宮へ。比留木謙司が最もギラついていた姿も思い出される。予選を勝ち上がり、準々決勝でスロベニアの強豪Ljubljaina(リュブリャナ)に敗れたが、12チーム中7位と奮闘した。

 そしてOkayamaの上を行く6位になったのが、Hamamatsuだった。彼らは3×3 PREMIER.EXEにAGLEYMINA.EXEとして参戦し、3人制未経験ながら猛威を振るった外国籍選手主体のチーム。PREMIERで前半戦総合2位となり、他チームの出場辞退を受けて初のMastersへ。同1位で出場権を得たBREX.EXEの選手によるUtsunomiyaに快勝するなどしていきなり8強入りした。さらにこの3ヶ月後、年間優勝決定戦「FIBA 3×3 World Tour Abu Dhabi Final」で世界2位へ大躍進した姿に驚いたのは言うまでもない。

 そんな中、悔しいデビューだったのが、Utsunomiyaだった。いまでこそ世界ランク19位(4/29時点)のチームであるが、当時は予選2連敗で初日で姿を消して9位に沈んだ。落合知也、眞庭城聖、永田晃司、レイ・ニクソンという国内最強メンバーを持ってしても世界で1勝をつかむのは難しい。そう感じさせるのに十分な2日間だった。彼らが、地元開催のMastersで初勝利をあげたのが、この7年後になる。

2017年の模様は<<こちら>>

【最終順位】2016 Utsunomiya Masters(リンクは外部リンク/FIBA 3×3)

【UOQT2開催概要】
FIBA 3×3 Universality Olympic Qualifying Tournament 2(UOQT2)
 ・日時:2024年5月3日(金・祝)~5月5日(日)
 ・場所:ライトキューブ宇都宮(大ホール)、宮みらいライトヒル
 ・詳細:(リンクは外部リンク/FIBA 3×3)
 ・チケット、イベント情報等はこちら
  >>(リンクは外部リンク/大会公式)

 ・主な放送予定
  BS松竹東急(BS260ch・全国無料放送/当日の大会ハイライト)
   5/3(金)、4(土)23:30~24:30、5/5(日)23:00~24:00  

『宇都宮 3x3戦記』2016年に世界最高峰の舞台が初上陸

TEXT by Hiroyuki Ohashi

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