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  • 2021.11.02

ALLDAY 5ON5 BASKETBALL TOUENAMENT FALL 2021 Report by MC MAMUSHI

2005年8月に始動してから早17年目、2021年10月23日(土)-24日(日)に第42回目の大会開催となったALLDAY 5ON5 BASKETBALL TOUENAMENT!東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催の影響で、一定期間閉鎖となっていた代々木公園バスケットボールコートも晴れて利用再開となり、緊急事態宣言も解除となったタイミングで開催を迎えたALLDAY FALL 2021をレポートしよう!

2年ぶりのALLDAYが代々木に帰還!
昨年開催された前回大会では、代々木公園バスケットボールコートが前述の通り閉鎖期間中だったため、ALLDAY史上初めて代々木以外での開催となった。東京豊洲のTOKYO SPORT PLAYGROUND内のAIR RAID COURTでの開催だったわけだが、AIR RAID COURTはできたばかりでコンディションも良く、施設自体も整然としていて設備も清潔。超高層マンションと首都高速道路、ゆりかもめに囲まれたアーバンなプレイグラウンドだ。ただ、コート自体が3×3コートを縦にジョイントさせた作りのためにフルコートとしては縦が短いこと、また1面コートだけのためALLDAYを開催するには少し窮屈さを感じていたことも事実。その点、やはり代々木公園。正規サイズのフルコートが2面あって、東京渋谷で駅からのアクセスも良いこの立地はみんなが集まりやすい。樹木もセクシーで、炎天下には日除けとしても一役買ってくれる。代々木公園でのALLDAYは、晴れてしまえばこっちのもの!「これぞ東京ストリートボール名物のALLDAY!」、2年ぶりに代々木公園に帰還したALLDAYでみんなが感じた多幸感だったと思う。

シードチームが次々と敗退!?波乱続きのQUALFIRE!
もちろん今回のALLDYも2日間にかけて50チームが争うノックアウトシステムのトーナメント!なかなか練習やピックアップゲームも満足にできない期間が続いていた中でも定員数を上回るエントリーで集まり、東京を中心とした関東勢、さらには東北勢や東海勢、甲信勢や沖縄勢、米軍基地チームからも横田や横須賀から猛者たちが集結することとなった。10月23日(土)に開催された予選トーナメントであるQUALFIREは、前日の雨の影響でコートの乾きを待つためにスタート時間が遅れ、結果的には一部の予選ゲームを翌日に持ち越すこととなる。そして、そこに至るまでにもシードチームや注目チームがチャレンジャーに打ち負かされる波乱が続いたQUALFIREであった。直近のALLDAYで上位の成績を収め、今夏に開催されたTOKYO STREETBALL SUMMER LEAGUEにも参戦したCRAYON、S.H.U SENDAI、YOYOGI PARK BALLERS、UNDERDOG、TOKYO BEAST、420らは、今回まさかの予選敗退。シードチームで予選を突破したのはTeam Yokosuka、BLACKTOP、勉族のみで、1回戦から勝ち上がってきたKOMAZAWA YOUNG GENERATIONS、F’SQUAD、Team-S、YOKOTA WARRIORSが晴れてベスト8入り。この7チームに前回王者の44STREETを加え、第42回大会の本戦出場チームが出揃った。大会関係者やメディア関係者たちからは「予想を大きく裏切った予選結果だ!」と口を揃えた。




新生F’SQUADのがとうとう躍進!大会最注目ボーラーだったK-TA a.k.a. BONAFIRE!
10月24日(日)の10:00からSpaceBall MagのBANGLEEによるストリートボールキッズクリニックと、前日にやり残した予選ゲームを実施し、上記の通りベスト8が出揃ったタイミングでファイナルトーナメントがスタート!ここからは、この日の話題をかっさらったF’SQUADを中心に語ってみたいと思う。SOMECITYの誕生とほぼ同時期に誕生し結成13年目、東京を代表するストリートボールクルーだ。リーダーであるK-TAのみがFAR EAST BALLERS時代にALLDAY優勝を経験しているが、F’SQUADとしては未だALLDAYを制したことはなく、ここ数年は予選突破に苦戦することも多かった。年代も変わり、世代も変わり、長年チームを支え続けているのはK-TA、UG、AGEのみとなった。近年は新たな若手メンバーと新生F’SQUADをビルドする期間として「長いトンネル」と本人たちが評する時間が続いていたようだった。直近に参戦したTOKYO STREETBALL SUMMER LEAGUEでは、その苦心がまだプレイに現れている状況で結果も奮っていたとは言い難い。そんな中での今大会、2日目に持ち越された予選決勝でのS.H.U SENDAI戦から目を見張る活躍が始まる。

TOKYO STREETBALL SUMMER LEAGUEを制し、事前予想でも優勝候補に上がっていたS.H.U SENDAI。この一戦でF’SQUADはノーガードの打ち合いで真っ向勝負し、結果競り倒した辺りからスイッチが入ったのだろう。特にK-TAに関しては、直接マッチアップとなったS.H.U SENDAIリーダーのTAKAとの1on1及びトラッシュトークの攻防でも優位に立ち「BONAFIRE!まさにオンファイヤー!」といった活躍でこの注目の対戦を17-13でものにした。続く、ファイナルトーナメント1回戦では前回王者の44STREETと激突!44STREETは前回大会MVPのKK、TEAM ballaholicでもお馴染みの名古屋のTORUや青森のSENといった布陣で連覇に期待がかかる今大会。直近の5on5や3on3の直接対決では44STREETが優勢だった印象であるが、この日のF’SQUADはこれまでとは見違えるハマりっぷりで37-30で44STREETまでも一蹴したのだ!さらにセミファイナルでも、実力も若さも高さも兼ね揃えていたKOMAZAWA YOUNG GENERATIONSとも前後半目を離せられないクロスゲームを展開し、22-21のワンゴール差でチーム初となる決勝進出を決めた!絶対的リーダーでありエースであるK-TAはいよいよ止まらないほどまでにノってしまっているし、UGとAGEもまるで水戸黄門のサイドを固める助さん格さんのように頼もしく、新エースのTOMO、F’SQUADにとって悲願のハードワーカーKOTAら新メンバーたちもハマりが良い。今年40歳となったK-TAが率いるF’SQUADが、とうとうALLDAYを制するのかと会場がざわめいたし、すでにみんな魅了されているようだった。

やはりBLACKTOP!MIUTYがMVP初受賞!
もう一方では、2017年、2018年、2019年と3年連続ALLDAY3連覇を果たしたBLACKTOPが、決勝トーナメント1回戦でTeam-S相手に26-20、続くセミファイナルではYOKOTA WARRIORS相手に24-21と、ともに僅差の接戦を制して2大会ぶり4度目の決勝進出を果たした。F’SQUADとBLACKTOPによるファイナルが実現!言わば同門対決、兄弟対決!これまでの対戦成績を振り返ればBLACKTOPが優勢と予想できるが、この日のF’SQUADはノリに乗っている。会場中もこの日のF’SQUADの大躍進に釘付けだった。ゲームが始まると、先手を取ったのは絶好調のF’SQUAD!BLACKTOPはインサイドの要でありチームの絶対的存在のMARTELが足の負傷でベンチに下がる時間も長かったこともあり、F’SQUADがグイグイと流れを持っていく。

後半に入り、MARTEL不在の中ゲームチェンジを図ったのがBLACKTOPリーダーでエースのOTO!ここぞ勝負どころという時間帯での集中力と決定力が素晴らしく、イケイケのF’SQUADサポーターに回っていた観客からしたらさぞ恐ろしい存在だったことだろう。OTOが気を吐いて試合展開をイーブンに戻すと、今度はF’SQUADのK-TAとBLACKTOPのMIUTYのマッチアップが目を引いた。この2人、実は2005年8月のALLDAY第1回目大会からプレイしている超ベテラン。そんな2人による直接マッチアップがこのゲームに勝負どころで勃発し、当時を知る大会関係者たちは胸熱でその瞬間を目撃していた。ノリに乗ってるK-TAがいきなり止まるわけではなかったけど「ここでこいつを止める!」という気迫をまとったMIUTYの様子は会場にも伝播していて、K-TAの1on1にDFでハッスルする度に会場が大いに湧いた。

いつまでも観ていたい攻防も残りわずかとなり、30-29でBLACKTOP逆転しが1点リード。残り数秒でF’SQUADのサイドスローイン。ここまでの流れ上、ブザービーターの逆転勝利を期待せずにはいられない代々木の空気が蔓延している。そんな中、ボールを受けたK-TAは徹底マークを受け、パスを受けてタイムアップギリギリで放ったUGの3Pが惜しくもリングに弾かれてタイムアップ!
第42回目のALLDAYはBLACKTOPが逆転勝利で2大会ぶり4度目の優勝を果たした!ファイナルMVPにはBLACKTOPからMIUTYを選出!勝負どころでF’SQUADのK-TA相手に怯むことなくハードDFを発揮し、大事なフリースローも沈め勝利に大きく貢献したための選出だ。決勝後にとあるボーラーが「あのノリに乗ってたF’SQUADを、しかも今回はMARTELの活躍に依存することなく勝ち切ったBLACKTOPエグくない?」とこぼしていたのも印象的だった。今大会、強く印象に残ったのはF’SQUADであったが、それすらも一蹴してしまうBLACKTOPの地力の強さは凄みすらある。BLACKTOPは心底尊敬できる仕上がりで王座奪還!そして、観客の心を鷲掴みにした新生F’SQUADは賛辞を送りたい。

「あぁ、幸せだなぁ。生きててよかったー」と、多幸感を感じると織田裕二みたいに陳腐なことを言いがちなんだなぁと感じた今回のALLDAY。晴天の代々木公園は最高だし、毎回ALLDAYを生きがいにして参戦してくれているボーラーたちと、あの甘美な空間を楽しみたい観客のみんな、さまざま力を寄せてくれるサポーターたちとのALLDAYは、主催してる僕らも本当に幸せを感じられる大会でありコミュニティなのです。パブリックな公園で開催し続けられるのは、ALLDAY自体が素晴らしいこともそうだけど、日々の代々木公園でのストリートボールやピックアップゲームがパブリックに受け入れられている証拠でもあるのです。だからこそ、今後も街やコミュニティに根ざして関わっていくストリートボールでありたいし、コートにゴミを捨てないでクリーンにキープすることだったり、熱く激しくプレイしながらリスペクト&マナーが伝承されているプレイグラウンドとして大事にしてきましょ。そういったことがファンデーションのように重なり合って、ALLDAYが16年以上キープされているのです。次のALLDAYはまた来年!暖かくなったらすぐやろう!



ALLDAY 5ON5 BASKETBALL TOUENAMENT FALL 2021 Report by MC MAMUSHI

TEXT by MAMUSHI

http://alldaymag.com/

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