ALLDAY 5ON5 BASKETBALL TOURNAMENT SPRING 2025 Report
MAMUSHIです!日本ストリートボール界の聖地、YOYOGI PARK PLAYGROUNDを舞台に、「年齢・性別・国籍・キャリア及びカテゴリ一切不問の完全オープンエントリー制」のバスケットボールトーナメントであるALLDAY。2005年の初開催からおかげさまで晴れて20周年を迎えました!改めて、これまで愛情と情熱を注いでくれた全ての方々に感謝申し上げます!そして、去る5月上旬には第49回大会となるALLDAY SPRING 2025が無事に執り行われ、盛況のうちに終えることができました。今回は20周年記念大会の春の陣となったALLDAY SPRING 2025について、FLYの誌面をお借りしてMC MAMUSHI目線でレポートしていきたいと思います。どうぞひとつお付き合いください!
ALLDAY SPRING 2025のアウトライン
まずは今大会のアウトラインを、リマインドも兼ねて紹介していこう。日本が世界に誇る、国内最大級のアウトドア5on5バスケットボールのメガトーナメントがALLDAY 5ON5 BASKETBALL TOURNAMENT。日本ストリートボール界の聖地、YOYOGI PARK PLAYGROUNDを舞台に、「年齢・性別・国籍・キャリア及びカテゴリ一切不問の完全オープンエントリー制」のバスケットボールトーナメントとして、2005年の初開催から今年で20周年目の記念シーズンに突入。昨年から4日間開催にパワーアップしたフォーマットを、第49回目の開催となる今大会でもそのまま踏襲。メンズを中心としたメイントーナメントは総勢80チームが参戦。そして、昨年から新設したウィメンズトーナメントは過去最多の14チームが参戦だ。
メイントーナメントの80チームのうち、前回大会の王者22BASKETBALLと準優勝のUNDERDOGの2チームは、5月3日(土)・4日(日)に実施された予選、QUALIFIERが免除され、ベスト8入りを決める5月10日(土)開催予定のTOP16ゲームから登場。この2チーム以外の78チームは、6分前後半制の予選ラウンドから参戦する。5月3日(土)にはQUALIFIERのAブロックからDブロック、翌4日(日)にはEブロックからHブロックまでのゲームを実施。その後、先に紹介した22BASKETBALLとUNDERDOGを加えてベスト16が出揃い、5月10日(土)にベスト8入りをかけたTOP16ゲーム(このゲームから10分前後半制)を行い、そして最終日となる11日(日)にベスト8からのファイナルトーナメントで今大会の王者を決める。ウィメンズトーナメントは5月10日(土)から開始し、翌11日(日)にTO8ゲーム、そしてセミファイナルとファイナルが行われた。
さて、概要の振り返りはこのくらいにして、そろそろメイントーナメントの予選から振り返っていこうかな!
5on5ストリートボールの最新戦力を計る6分前後半制のQUALIFIER
78チームを14チームに絞るQUALIFIER、つまり予選ラウンドが5月3日(土)と4日(日)の2日間にわたって展開された。ここで大方のチームの最新のコンディションが見て取れる。抜群のパフォーマンスで順当な勝ち上がりを見せたのは、前回大会ベスト4のMP3や、このタイトルでは初参戦となった仙台の野良、磐石の強さを見せた横濱Team-SやS.H.U SENDAI、VELTEX TOKYOやPISTOL BROTHERSら6チーム。44STREETはYOYOGIの常連組からの新興チームidentityに激しく挑まれるも13-9で辛勝し予選を突破。ALLDAY SPRING 2024で初参戦しベスト8入りを果たした沖縄のUNIONは1年ぶりにALLDAYに挑むも、BLACKTOP相手に7-8で敗れ初日で姿を消した。Boogie’s BasketballはU18メンバーに加えて海外進学組のOBたちも登場し、大人相手に楽々予選を突破。ひさしく予選突破が阻まれて苦しんでいたTKGは復活の兆しを見せ、BMR、TeamYokosukaと猛者相手に勝ち切り、ひさびさのベスト16入り。福岡から2度目の参戦となったTEAM CRATEも埼玉のShakeHands、横浜のYMMを下して予選突破を果たした。
予想だにしていなかった勝ち上がりを見せたのは、中国から参戦のCT54。YUKKEのYouTubeの中国編に登場していた@jzhong67こと中国のジェレミー・リンこと钟显超が率いたCT54は、アジリティの高い長身ウィングと大型ビッグマンも揃い、DUMBLERSとSimonを競り倒してベスト16まで上り詰めてきた。またTHE NINJAはyoyogiparkballerを15-7で下し、vivre libreなる新チームもFAKE streetを含む予選3ゲームを楽々勝ち上がってきた。
結果、MP3、仙台の野良、横濱Team-S、S.H.U SENDAI、VELTEX TOKYO、BLACKTOP、中国のCT54、44STREET、Boogie’s Basketball、THE NINJA、vivre libre、TKG、仙台のPISTOL BROTHERS、福岡のTEAM CRATEの14チームが5月10日(土)にベスト8入りをかけたTOP16ゲームに駒を進めた。
これまでの戦歴や直近のストリートボールゲームでの存在感から期待されていたものの、残念ながら力を発揮できなかったチームも数々あった。前回大会ベスト16で惜しくもファイナルトーナメント入りを逃したLIVE SDYは初戦で平塚Connections相手に17-20で競り負け、沖縄UNIONも昨年よりメンバーもエナジーも落ちていたし、結果を出したいDUMBLERSやALLDAY優勝をもくろむSimonもCT54に一蹴された。前回大会ベスト16だったHDCやyoyogiparkballers、前回ベスト8のFAKE streetやTeamYokosukaもこの初日で早々に姿を消した。
ファイナルトーナメント入りをかけた最後の関門、TOP16ゲームに突入!
5月10日(土)、先に紹介したQUALIFIER初日を突破した14チームに、22BASKETBALLとUNDERDOGを加えてメイントーナメントのベスト16が出揃ったDAY3!翌DAY4から展開予定のファイナルトーナメント出場をかけて、10分前後半制のブロック決勝が行われた。正午まで雨天だったこともあり、予定より開始時間を後ろ倒しし、16:00から19:30頃まで夕暮れからのナイターゲームとして実施された。
MP3 vs 野良は、野良がランゲームに持ち込みたいところだったが、結局MP3の高さに屈して31-16の大差でMP3がベスト8入り。横濱Team-S vs S.H.U SENDAIは終始競るも、最後の最後でアウトサイドをヒットさせたS.H.U SENDAIが17-11で横濱Team-Sを下した。VELTEX TOKYO vs BLACKTOPは、メンバーが半数以上一新されたVELTEX TOKYOの強度が高く、16-11でBLACKTOPを一蹴。44STREETは20歳以下の若手たちBoogie’s Basketballに最後まで粘られるも22-21でなんとか勝ち切った。
THE NINJA vs vivre libreは、大学バスケ経験の外国人ボーラーたちを擁するvivre libreが優位にゲームを進めて24-17で初出場にして初のベスト8入りを決めた。TKG vs PISTOL BROTHERSはハイスコアな熱戦になるも、リーダーBUZZが不在だったPISTOL BROTHERSをTKGが最後まで攻め込み32-24でベスト8へのカムバックを果たす。
前回大会の王者でシードチームとしてこの日から登場となったYUKKE率いる22BASKETBALLは、昨年に比べロスターが少ない中、初日に登場。福岡のTEAM CRATE相手にYOYOGIでのゲーム慣れも含めレベルの違いを見せつけ、24-13で楽々ベスト8入りを決めた。
そして、唯一のアップセットが起こったのが中国のCT54 vs UNDERDOG戦だ。ALLDAY史上最多優勝回数12回を誇るUNDERDOGも、前回大会準優勝のシードとしてこの日が初戦。YOYOGI慣れしていないCT54を尻目に序盤からリードを奪い、前半だけを見ると危なげない試合運びだったと言える。
しかし後半に入り気が緩んだのかシュートの勢いが収まる中、CT54が積極的にボールプッシュからファーストブレイクで点差を縮め、あれよあれよと逆転し、20-19でCT54が競り勝つ結果となった。これまでチームを牽引してきたDAISUKEも40歳を迎える年となり、チームとして生まれ変わりを求められている過渡期にまさかのALLDAY初戦敗退となったUNDERDOGは心底辛いだろう。周年大会にコンディションを合わせられなかった悔しさが、この秋に何かの形で発揮されるのか。
ともあれ、これで今大会のベスト8が出揃った! MP3、S.H.U SENDAI、VELTEX TOKYO、CT54、44STREET、vivre libre、TKG、22BASKETBALLだ。
いよいよ迎えた最終日!王者を決めるファイナルトーナメント!
ALLDAYオリジナルユニフォームを纏ったファイナリストたちによる決勝トーナメント!メイントーナメントの1回戦、まずはここまで強烈な存在感を放ってきたMP3に、ジョーダンブランドファミリーでもあるTAKAが率いるS.H.U SENDAIが挑む。S.H.U SENDAIのアグレッシブなディフェンスとアウトサイドのヒットに期待がかかったが、今回は全くハマらず、28-12の大差でMP3が一蹴した。
続くGAME2では、初参戦でベスト8入りを果たし、前回王者UNDERDOGを破った中国のCT54がVELTEX TOKYOに挑むも、VELTEX TOKYOのリーダーSyusukeが序盤から3Pを連続でヒットさせ大きくリードを奪い、その点差が縮まることなくタイムアップ。33-24でVELTEX TOKYOが久々のベスト4入りを決めた。
予選では接戦が続いた44STREETはこのファイナルトーナメントから見事に復調し、まずは新興チームvivre libreを36-22で楽々仕留める。
そして、ベスト8にカムバックしたTKGがディフェンディングチャンピオンである22BASKETBALLに挑んだGAME4。後半残り1分までは22BASKETBALLが問題なく勝ち切れる展開だったが、この残り1分で7点のビハインドをTKGが猛追。最後はTKG #4 Taichi がAND1のフリースローも沈め、20-19でTKGが見事な大逆転を果たしアップセットに成功。前回大会で見せた集中力とエナジーを発揮できなかった22BASKETBALLがここで姿を消した。
こうして、MP3、VELTEX TOKYO、44STREET、TKGという新たなベスト4が誕生した!
ウィメンズトーナメント、決勝戦ではYOK ballersが王者ZOOSに挑む!
メイントーナメントのTOP16ゲームと同日、5月10日(土)にウィメンズトーナメントも開幕した。14チームによるトーナメントで、初戦は各チームが大差で勝利を収める展開となった。
ベスト8では、悲願の優勝を狙う浅羽麻子率いるdifferentが神奈川のローカルボーラー集団YOK ballersに16-11で圧倒され、早々に姿を消す。2代目王者のXDは横浜のBLUE SOXを9-7で辛勝。ベスト4脱却を目指す岡田麻央率いるゴカラクサと、3×3で活躍する正木優子&坪内瑠愛が擁するrag-bagの対戦は、Wリーガーを複数抱える両チームによる迫力の試合となり、rag-bagが20-10で勝利を収めた。初代王者ZOOSは、現役WリーガーやKAGO所属の中高生など多彩なメンバーで今大会に臨み、初参戦のTEAM LATTEを27-10で一蹴。
続くセミファイナルでは、YOK ballersが2代目王者XDを34-26のハイスコアゲームで下し、初の決勝進出を決めた。
一方、rag-bag対ZOOSのセミファイナルは、rag-bagの伊森可琳(富士通レッドウェーブ)と、ZOOSの桂葵や赤木里帆(富士通レッドウェーブ)が奮闘し、29-21でZOOSが決勝の舞台に駒を進めた。
迎えた決勝戦は、プロ選手を擁さないローカルボーラー集団YOK ballersが、充実したロスターを擁するZOOSに挑む構図に。序盤は高いシュート力で食らいついたYOK ballersだったが、後半に入るとZOOSの個々のプレイレベルの高さが際立ち、25-17でZOOSが2度目のALLDAYウィメンズトーナメント制覇を果たした。
MVPには、攻守にわたり重要な役割を果たした桂葵が輝いた。負けなしのZOOSを打倒できる対抗馬は、いつ現れるのか今後の展開に注目が集まる。
セミファイナルを経て、歴史に残る死闘となったMP3 vs 44STREET!
セミファイナルでは、VELTEX TOKYOがMP3に15-31、TKGが44STREETに18-36とともに大敗を喫した。ALLDAY制覇にはあと2ゲーム分の体力と気力が必要だが、敗戦後の両チームにはどこか清々しい余韻が漂っていた。VELTEX TOKYOもTKGも数年前にALLDAYデビューを果たし、早くからベスト8入りを続ける注目の新興勢力だったが、その後浮き沈みも経験し、TKGに至ってはチーム解散の危機があったとの噂も聞いた。そんな苦難を乗り越え、ALLDAY20周年の記念すべき年に強い姿でカムバックを果たした両チームには惜しみない拍手を送りたい。
初の決勝ステージに進出したMP3と、ALLDAYを2度制覇した実力者44STREETによるファイナルは、ALLDAY史上に残る激闘となった。MP3は昨年の主力メンバーに加え、3×3のUTSUNOMIYA BREX.EXEに所属するオーストラリア出身の209cmグリフィン・ビュワー、Bリーグしながわシティの山根響を迎え、躍進の原動力となった。
一方44STREETは、強烈なヘビーヒッターKKを擁しながらも、ファイナルではほぼ全攻撃をRYOに託す形となった。RYOはこの試合で44STREETの25得点の大半を叩き出し、アイソレーションからの1on1でMP3を翻弄。空中戦で対抗する44STREETの選手たちも奮闘したが、プットバックで押し込まれるシーンが目立った。
ALLDAY実行委員会も高く評価したのは、MP3の山根響がRYOの猛攻を受け止めた姿勢だ。現役Bリーガーとして一歩も引かず、時にはオフェンスで反撃を見せるなど、山根の存在が試合の行方を左右した。
ファイナルスコアは27-25の1点差。44STREETの猛攻を振り切ったMP3が悲願の初優勝を飾った。MVPはファイナルの得点リーダーであり、重要なマッチアップを制した山根響が獲得。第49代ALLDAYチャンピオンとして新たに誕生したMP3と、輝きを放った山根響の活躍が今大会の幕を締めくくった。
次はALLDAY20周年、秋の陣でお会いしましょう!
といったわけで、ALLDAYにとってまた新たな王者が誕生した今回のSPRING 2025!ウィメンズトーナメントではZOOSが2度目の制覇で負けなし状態!次はこの秋、おそらく10月開催となるでしょう!20周年シーズン、第50回目大会は次回!5ヶ月後にまた代々木公園でお会いしましょう!
- ALLDAY 5ON5 BASKETBALL TOURNAMENT SPRING 2025 Report
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TEXT by
MC MAMUSHI
PHOTO by Kasim Ericson
& ミッシー