• COLUMN
  • 2019.11.01

FKO -SAMURAI BALLERS 15th Anniversary-レポート


Photo/Makoto Kokushi

かつて福岡で定期開催されていたFKO(Freestyle Knock Out)。全国各地で行われているフリースタイルバスケットボールイベントの中で、最もアンダーグラウンドな雰囲気でアウェイ感満載のバトルだった。

お客さんは地元九州のフリースタイラーのパフォーマンスには拍手喝采を送るのに対し、九州以外の選手だと(目の肥えた僕でさえ驚くようなパフォーマンスを見せたとしても)拍手はまばらで歓声はほぼない。観戦しているだけでもボディブローを何発も食らうような雰囲気が漂う中で、Kamikaze、lee.、ISHIMOSなど、関東を代表する猛者たちが苦汁をなめてきたバトルが久々に復活した。

10月14日、福岡を代表するフリースタイルバスケットボールクルー「侍BALLERS」の結成15周年を記念するイベントの中で、黒と赤に彩られたコートとクールな照明に包まれた最高の舞台が用意された。

定期開催時に何度も優勝を飾った侍BALLERSのBUG!?とLIL-Gは今大会の出場メンバーの中には名を連ねず、BUG!?は今回はジャッジのひとりとして招聘され、一方のLIL-Gは数年間の充電期間を経て、この日の大トリでのパフォーマンス復帰に備えていたため、九州のトップ2が不在の中、若手選手中心のトーナメントとなった。

若手の中でも特に活躍が光ったのが中学2年生のHINATA。地元福岡出身ということもあり、BUG!?に似てボールを軸に体を自在に動かすアクロバティックなスタイルを得意としているが、スピンやドリブルなどわずか30秒のムーブの中で豊富なバリエーションも披露し、1回戦は宮崎出身のemaに文句無しの勝利を飾った。2回戦も同じく九州勢・熊本出身のKAGAMIに勝利。準決勝で関西を代表するスピナーISSEIに惜しくも敗退するが、大人顔負けのテクニックとキレを持ち合わせ、しばらく見ないうちに大きく成長したように感じた。また、中学1年生で今大会最年少のNozomiもスピンを中心としたスタイルで1回戦を勝ち上がるなど、今後の九州勢の躍進を確信させる活躍を見せてくれた。

一方、トーナメントの逆サイドでは関東の雄Kengoが音にしっかり乗ったパフォーマンスで観衆を魅了。1回戦のKANTA、2回戦のNES、準決勝のTI-GUといずれも福岡勢との対戦で接戦だったものの、1つ1つ着実に勝ち、決勝へ駒を進めた。福岡で初バトルだったKengoは不安もあったようだが、1戦1戦勝ちあがるごとにその不安も払拭され自信が湧いてきたという。

決勝のカードはISSEIとKengoの対戦。スピナーのISSEIは序盤にキャッチ技を連続で決めて優位に立つが、2本目はほとんど技をメイクできず、苦い表情を見せた。やはりスピナーはキャッチをメイクできないと評価するのが難しくなる。一方のKengoは決勝でもそれまでと同様にDJ MIKOの選曲に合わせてバリエーション豊富なムーブを披露。流れるようにテンポ良く技が決まっていき、見事優勝を飾った。

KengoはFKOを以前から動画で見ていて、互いに死力を尽くすようなバトルが多いと感じていた。そこで大会前に自分のやりたいパフォーマンスを確認しつつ、何日も前からモチベーションを高く保ち、この舞台に立つ自分自身をイメージしながら練習に取り組んできたという。その成果が実を結んだ形となった。

主催である侍BALLERS代表のU-LAWはチームの15周年を記念するこのビッグイベントに様々なバスケコンテンツを盛り込みたいと考え、フリースタイルバスケを頑張っている選手たちを福岡の人たちに紹介しようという想いからFKOを復活させた。

今後は九州を中心に以前のようなシーズン制も再開させ、定期開催していくとの事。さらにフリースタイルバスケの普及やきっかけづくりの場を提供すべく、全国各地での開催も検討している。

また、今大会優勝のKengoには副賞として、2020年3月に東京で開催予定のフリースタイルバスケットボールバトル日本一決定戦の出場権が与えられる。

日本一決定戦は、かつてこのフリースタイルバスケ界で皆が目標としていた最も大きなバトルイベントで、満を持して3年ぶりに復活する注目の大会だ。今回は全国各地の提携大会で優勝したフリースタイルバスケットボーラーを中心としたトーナメントを予定しており、激戦必至の好バトルが期待できる。詳細情報は日本フリースタイルバスケットボール協会(JFBA)のWebサイトやSNSで随時発信していくとのことなのでぜひチェックして欲しい。

FKOと日本一決定戦、2大バトルが復活する2020年のフリースタイルバスケシーンはこれまで以上に注目が集まり、さらに面白いものになっていくだろう。

日本フリースタイルバスケットボール協会ニュースリリース
日本フリースタイルバスケットボール協会ホームページ
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TEXT by Makoto Kokushi

SAMURAI BALLERS

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