アディダスがテーブス流河選手と複数年契約を締結
アディダス ジャパンがテーブス 流河選手(ザ・ニューマン・スクール)と、2024年より複数年の契約締結を発表。
同じくアディダスアスリートである兄・テーブス海選手(現アルバルク東京)の契約した21歳を上回る19歳での契約は、同社の男子バスケットボールカテゴリーにおける最年少契約となる。
テーブス 流河選手は、2004年5月12日生まれ、兵庫県出身、身長185センチのポイントガード。実践学園中学から報徳高校進学し、1年次からウインターカップに出場。2年の夏に、兄と同じノースフィールド・マウントハーモン・スクール(米国マサチューセッツ州)へと渡米し、2022年にはザ・ニューマン・スクール(同州)へと転学。全米大学体育協会(NCAA)のディビジョンIの大学から10校ものオファーを受け、今年9月よりボストン・カレッジへと進学予定。
また、昨年6月にはイタリアで開催されたアディダス主催の「ADIDAS EUROCAMP(アディダス ユーロキャンプ)」にも参加。ヨーロッパ、アメリカなどの若手有望選手の中でもその存在感を示している。
【インタビュー】
― 今回、アディダスとの契約に至りましたが、いまの心境はいかがですか。
率直に嬉しいです。やっぱり、海(兄・テーブス海)の姿を見ていましたし、いつか自分もこういう風になりたいなあという気持ちは前から持っていたので嬉しいです。
― お兄さんである海選手が契約したのは21歳の時なので、それよりも早く、アディダス ジャパンにおけるバスケ男子選手としては最年少での契約です。
海が契約していたからこそ、いまこうして自分が契約できていると思うので、感謝の気持ちが一番です。
― アディダスアスリートとして、どんな選手になっていきたいですか。
自信を持って、どんな場面でも自分の良さを出せる選手になりたいです。自分の強みは、努力できるところだと思っています。それによって磨いてきたスキルも1つの武器だと思いますので、それをどのコートに立っても発揮できるような選手を目指したい。
― アディダスブランドに対しては、どのようなイメージがありますか。
バスケットボールでのウエアやシューズはもちろん最高ですし、コート以外のものも魅力的なものがたくさんあって、おしゃれだし、クールだなというイメージがありますね。
― お気に入りのアイテムやバッシュはありますか?
これまでもたくさんのバッシュを履いていましたが、いまは、アンソニー・エドワーズ選手の『AE 1』は履き心地も良くて、スタイリッシュでかなり気に入っています。バッシュ以外だと、アディダス オリジナルスは、ストリート感があり、自分の好きなものが多いので、これからいろいろ楽しみたいと思います。
― バッシュへのこだわりはありますか。
まずは、デザインのカッコよさ。あとは、履き心地と軽さですかね。自分はポイントガードですし、スピードを活かせるようなプレーをしたいので、動きやすさと軽さはこだわりたいですね。デザインは、最先端というか新しいデザインが好きなので、今回のAE 1も近未来的なイメージで、好きですね。
― あらためて、流河選手にとって、お兄さんはどんな存在ですか?
昔からあこがれの存在で、背中を追っている存在ですけど、やっぱり目標としては兄を超えたいという気持ちはあります。努力を積み重ねていって、いつか超えられるような存在になれたらと思っています。
― 現時点でお兄さんに勝っていると思う部分はありますでしょうか。
勝っている部分ですか(笑)。自分自身が持っているスキルは、シュートだったり、ドリブルだったりっていう部分は、自分の方が上って自信を持って言えるんじゃないかな、というのはあります。アメリカに行っても、そこは自分の強みだなと感じることができましたし、大学からオファーをもらって行っていたときも、そこは自信にしていました。
― この夏からいよいよ新たなステージに挑みます。NCAAのディビジョンⅠ、さらにはアトランティック・コースト・カンファレンス(ACC)を舞台に戦います。
楽しみです。とにかく怖がらずにどんどん挑戦して行くというメンタリティーで望みたいと思っています。そして、すごくいい環境でバスケをできることに感謝の気持ちを持って、日々を大切にしていきたいです。
― どんな言葉を胸に挑んでいきますか。
“believe”ですかね。周りの人からどんな評価を受けても、自分の良さや今まで練習してきたことを信じて、強い気持ちで挑んでいきたいです。昔から、失敗を繰り返しても立ち直れてきた理由としては、自分を信じ続けてこられたからだと思っています。どんなことがあっても、自分を信じて立ち直る姿勢で乗り越えていきたいです。
― 過去一番、挫折を感じた瞬間はありますか。また、それをどのように乗り越えましたか。
めちゃくちゃいろいろあります(笑)。1つ挙げるとすれば、ジュニアシーズン、いわゆる高校2年生のシーズンのあとに、学校ではなく、夏のサマーリーグにクラブチームのメンバーとして参加したとき。周りのコーチ陣からも、これからたくさんオファーが来るような存在の一人として期待されていたんですが、結構努力してもなかなかオファーがもらえない時期が続いてしまって。本当に悔しくて、なんで来ないんだろうって考えすぎて、どんどんプレーも落ちてしまった時期がありました。それでも、お父さんからの「自分を信じ続けなさい」って言葉を聞いたりして、立ち直ることができた。
― お父さん(BT テーブス / 現 Wリーグ富士通 HC)やご家族の存在は大きいですか。
本当に大きいと思います。そのときも正直、バスケをやめようかなって気持ちもありましたし、実際に「バスケやめたいかも」って両親に言ったんです。そしたら、両親ともに「無理ならやめてもいいよ」って。でも、アドバイスとしてもらったのが、「もしやめるとしたら、いまの気持ちではなくて、やめた後の心境も考えてみなさい。もしやめて後悔したとしても元には戻れないから、それをよく考えて選択しなさい」と。そして、「やめてもバスケで培ったことは違うとこでも生きるから安心しなさい」とも言われました。その時は、本当に深く考えて、また挑戦しようっていう気持ちになることができました。
― 逆に、バスケキャリアで最もエキサイティングだった瞬間はありますか。
渡米してからシーズン始まってないころに、オープンランというチーム内で5対5をして、大学のコーチとかに見てもらっていろいろと評価をしてもらう機会があったんですが、そこで渡米してまだ1ケ月も経たずに、1個目のオファーをもらえました。その瞬間は自分はここでやれるという自信を持つことができて、これからが楽しみになったのはよく覚えています。
― 昨年6月には「ADIDAS EUROCAMP(アディダス ユーロキャンプ)」にも参加されましたが、ご自身にとってどのような経験になりましたか。
あのキャンプは活躍しても、たとえ活躍できなかったとしてもいい経験になるようなキャンプだと思います。実際、自分も思うようにプレーができたわけでもなかったんですが、世界から集められたレベルの高い選手が来ているので、すごくいい刺激になりました。特にフィジカル面と高さは差を感じました。アメリカでも最初は結構苦労しましたけど、あのキャンプはそれ以上の身体能力やレベルの高い人たちが集まっているので、苦労しました。
― 今年同じ6月に開催予定で、日本からも参加します。アドバイスはありますか。
一つ伝えられるとしたら、NBAのスカウトだったり、いろいろなメディアとや関係者かがいると思いますけど、そこにはあまり集中せずに、キャンプから得られるものに集中してほしいです。例えば、どういうメンタリティーが通用するのか、とか。そういう学ぶ姿勢で挑んでいただければ、素晴らしいものを得られるんじゃないかなと思います。
― 流河選手ご自身は、プレッシャーには強いタイプだと思いますか。
どうなんですかね。弱いかもしれないしれない(笑)。というよりも、まだ正直言ってあんまりわからないです。あまり、すごいプレッシャーの中でやるバスケというのを経験したことないので。ただ、先ほどの挫折の話のときは、コーチから評価はされていたけどいいプレーができなかったというのは、プレッシャーを感じていたのかもしれないです。それでもいろんなことを経験して、もしプレッシャーがあったとしても、そこには集中せずに、目の前のことに集中して、自分のできることを信じていきたいです。自分のできることを最大限コントロールできたら、評価や結果はあとから勝手についてくるという姿勢でやるようにしています。
― 現時点での将来の夢を教えてください。
まずはNBA選手を目指したいです。あとは、いつか日の丸を背負って、世界規模で行われる大きな舞台でプレーをしたいというのが目標です。
― それを成し遂げるために、どんなことに取り組んでいきますか。
やっぱりさっきも言ったように、今できることに集中して、自分がコントロールできない部分に引きずられ過ぎないようにしていくことだと思います。それを意識しながら、努力を続けていきたいと思います。
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