『スペース・プレイヤーズ』公開を祝し、UNDEFEATEDが真夏のHOOPイベントを開催
バスケットボールの神様マイケル・ジョーダンが主演した映画『スペース・ジャム』の公開から25年――今夏、その続編となる『スペース・プレイヤーズ』の公開を祝し、UNDEFEATEDが「UNDEFEATED HOOP DAY」と題して、真夏のバスケットボールイベントを開催した。この時期らしい、スペシャルな1日をプレイバックする。
バッグス・バニーも登場!HOOPイベント
最高気温30度越え。真夏の到来を感じさせた7月11日に東京・豊洲のTOKYO SPORT PLAYGROUND(TSP)で「UNDEFEATED HOOP DAY」が開催された。これは1996 年に、バスケットボールの神様マイケル・ジョーダンが主演した映画『スペース・ジャム』の続編である『スペース・プレイヤーズ/邦題(原題/Space Jam:A New Legacy)』の今夏公開を祝して、UNDEFEATED(アンディフィーテッド)が主催したバスケットボールイベントだ。
ロサンゼルス生まれ、「勝利」を意味する縦に4本、斜めに1本を施したファイブストライクスと呼ばれるロゴデザインでお馴染みのブランドは、今回TSPを『スペース・プレイヤーズ』に登場するバッグス・バニーやローラ・バニーの力も借りながらスペシャルに演出し、「クリニック」「ピックアップゲーム」「FULL COURT 21™」の3つのHOOPイベントで、ボーラーやキッズを楽しませた。
Bリーガーも全力!U15クリニック
まずクリニックは15歳以下の小中学生を対象に開催された。コーチをSpaceBall Mag 主宰の BANG LEEが務め、ゲストアスリートにはB.LEAGUE秋田ノーザンハピネッツ所属の古川孝敏が登場。子どもたちと一緒に、ハーフコートで2ボールドリブルをしながらシュートまでを競い合うドリルや、2つのグループに分かれて両エンドラインで準備し「1on1」「2on2」「3on3」などとコーチのランダムなコールに反応して、即興でオールコートのプレーにトライするメニューなどへ取り組んだ。
さらに古川は1on1で挑んでくる子どもたちを跳ね返すようなディフェンスも披露するなど、子どもたちを巻き込んで場を盛り上げる彼の姿は印象的で、終始楽しい雰囲気に満ちたクリニックとなった。
約1時間のクリニックを終えて古川は「いろんな状況がある中で、なかなかイベントができない状況でしたが、久しぶりにこのようなことができたのでとても新鮮でした。外で(クリニックを)やることもあまり無いので、この環境は刺激がありましたね」と、コロナ禍の中、オフの貴重な経験をかみしめた。
また、クリニックを盛り上げるように子どもたちと楽しんでいた姿については「もともと(どんなことでも)全力でやるタイプ」としたうえで「子どもたちと一緒に良いものを作って、良いものを得て、お互いが今後につなげていけるようにしたいという思いがありました」と語った。クリニックを終えて、集合写真を撮ったのち、子どもたちが古川に駆け寄ってサインを求めたり、話かけているいる様子を見れば、きっと古川の思いも届いたに違いない。
CHIHIROが後輩と「まさか」の共演
続いてコートには、先日40歳の誕生日を迎えたK-TAを筆頭に、OTO、CHIHIRO、DAISUKE、SHINPEI、KCら20名のボーラーが集結。紅一点のAOIも含めた真夏の「ピックアップゲーム」が開かれた。この日のレギュレーションは7分流しのピックアップゲームを約15ゲーム行い、勝利数の多い選手の上位10人を選抜したうえで、最後に決勝を1ゲームセットするやり方が組まれた。またコートサイドにはMC MAMUSHI、DJ MIKOは映画のサントラをチョイスしてDJにおり混ぜ、イベントを彩った。
ぐんぐん気温が上がる中の予選は非常にタフな様子だったが、まずはOTO、CHIHIROが勝ち抜けし、残る8人を選ぶ決定戦によって、K-TAや番長ら5人が決勝へ。最後は決定戦で負けた5人によるフリースロー勝負でTICKTACKらが滑り込んだ。
そして決勝はOTOとCHIHIROがそれぞれメンバーをセレクトしてチームを結成し、ゲームがスタート。暑さが続く中でも予選とは対照的に、スイッチの入ったボーラーたちが序盤からバチバチの展開をくり広げる。ゲームは終盤、一時は守勢に回ったTEAM OTOが12-13と逆転に成功したが、すぐさまTEAM CHIHIROが14-13で再びリードを奪い返し、ラストは辛くも逃げ切った。
MVPには予選から参加選手中トップの得点をマークしたCHIHIROが選出。チームメイトのK-TA、SHINPEI、番長、RIKUTOとともに『スペース・プレイヤーズ』の公開を記念して発売されたジャージに袖を通し、プライズボードを高々と掲げた。
試合後、CHIHIROは「久しぶりのピックアップでした。昔はよくやっていましたが、最近は僕もオールコートのピックアップはできていなかったので、今日はピックアップらしい即興感があって楽しかったですね」とコメント。MVPについても「最後に美味しいところを持って行かせてもらいました。チームメイトのおかげですね」と笑顔で振り返るとともに、MVPのプレゼンターが東海大学の後輩で、クリニックに続き登場した古川だったことを聞けば、次のように教えてくれた。
「まさか(の再会)でした(笑)アイツとこうなるなんて思わなかったですけど、この場であのような形で出会えるなんて、すごいありがたい経験だと思います。(古川とは)ちょうど代替わりで、僕が卒業した後に彼は大学へ入学をしてきたのですが、彼と同い年の選手が平塚(Connections)に入ってきてくれて(それが縁で)話をしたり、昔は大学のOB戦でよく話をしていました。彼は努力家で僕も刺激をもらうし、その姿から学ぶことが一杯ありましたね。本当にここで会えるとは思っていなかったので、嬉しかったです」
ピックアップゲームが、偶然にも大学の先輩、後輩をつなぐ場になってくれた。
ストリート満載で幕を閉じる
そしてイベントのトリは「FULL COURT 21™」が務めた。これは、ボールを持てば自分以外すべて敵(ディフェンス)の状況で、リングに向かってアタックし得点を競い合う、アメリカのストリートではポビュラーなバスケ「21」(トゥエンティワン)を、オールコートバージョンにアレンジしたものだ。国内ではまだまだ一般的では無いかもしれないが、世界大会もあるほどで、クリニックでコーチを務めたBANG LEEは過去に国内大会を何度も主催している。現在はリーグ戦形式で6月より都内で開催し、この日はそのリーグ戦のひとつとして、TSPで試合が設けられた。
ルールは、1回のオフェンスで得点が決まれば2点が入り、さらにシューターフリースローとして最大3点、合計5点をメイクできる。攻守の切り替えは自分がディフェンスでスティールするか、リバウンドを取るほか無く、ボールがラインを割ってもレフリーが笛を吹くまではアウトオブバウンズにならないため、ボーラーはとにかく最後までボールを追う。今大会も勝ち上がるためにボーラーは、コート上で果敢なチャレンジを終始見せてくれた。
しかし白熱したプレーの一方で、空模様が徐々に悪くなりはじめ、雷まで鳴るなど天気は大荒れへ。ゲーム途中でたたきつけるような雨と、横殴りの風が吹き、ひょうまで降ってくるコンディションとなったため、残念ながらイベントはここで打ち切りとなった。ボーラーも関係者も最後までやりたい気持ちはあったが、灼熱の夏空から一転、土砂降りの雨で降ってくるなんて、ある意味、この時期に屋外でやるサマーボールらしいところ。「UNDEFEATED HOOP DAY」はストリート満載で幕を閉じた。
公開はいよいよ8月27日!
最後に『スペース・プレイヤーズ』を祝したイベントとあって、参加選手からは、前作の『スペース・ジャム』の思い出話があったことも触れておきたい。クリニックのゲストアスリートである古川も、ピックアップゲームのMVPであるCHIHIROもそろって子どもの頃に前作を見ていたとのこと。だから2人とも、このイベントへ携われたことにどこか嬉しそうな表情を見せてくれた。古川が「僕もハーフラインから手を伸ばしてダンクをしてみたいもんですね!」と前作の名シーンを振り返り、CHIHIROも「ちょうど中学生の時でしたね。マイケル・ジョーダンが履いていた、あのJordan11の黒青が欲しいと思っていました。友だちと映画館へ見に行ったことをいまだに覚えてます」と話した。
25年ぶりの続編にはNBAのスーパースターであるレブロン・ジェームズが主演を務める。きっと数多くのボーラーやキッズに刺さるシーンがあるはずだ。来月8月27日からの公開を、チェックしてみてはいかがだろうか。
- 『スペース・プレイヤーズ』公開を祝し、UNDEFEATEDが真夏のHOOPイベントを開催
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TEXT by Hiroyuki Ohashi
スペース・プレイヤーズ
UNDEFEATED
FULL COURT 21™