「ADIDAS NATIONS TOKYO」の2人が「ADIDAS EURO TOUR」で世界を実感!

FEATURE | JUN. 13, 2019

アディダスが世界と勝負できる日本人バスケットボール選手を育成するプロジェクト「ADIDAS NATIONS TOKYO」。今年も日本から参加した2人の若者がヨーロッパの一国、スペインでかけがえのない経験をして、帰ってきた。

Text/ Kaz Nagatsuka
Photo/©adidas

「ADIDAS NATIONS TOKYO」の第2期メンバーとして選ばれたのは佐藤涼成君(福岡第一高校)とケイン・ロバーツ君(キニックハイスクール)だ。2人は、中国やフィリピンのU16年代の選手らと構成するAPAC(アジア太平洋)チームの一員として「ADIDAS EURO TOUR」に参加した。ツアーは5月17日から19日にスペインのビトリア・ガステイスで開催されたEuroLeague Final Fourに合わせてスケジュールが組まれたが、その前後も含めた5日間ほどの滞在の間で、チーム練習や試合はもちろん、ブランドイベントやNBAに次ぐ世界最高峰の舞台であるEuroLeague Final Fourの観戦など、濃密かつ様々なアクティビティに臨んだ。

日本から選手が派遣されるようになって2年目。今年の渡航先であるスペイン北部の都市、ビルバオへのツアーを終えて羽田空港に降り立った2人は、離日前と比べて話しぶりが力強くなっていた。短い滞在期間だったとはいえ、確実に何かを掴んで戻ってきたようだった。



ツアー中の最大のイベントのひとつは、ヨーロッパのU16選抜選手たちとの“オールスターゲーム”である。EuroLeague Final Fouと同時開催されている、ユーロのU18クラブNo.1を決めるadidas NEXT GENERATION TOURNAMENTのエキシビションとして、注目される一戦だ。

当初の予定ではビルバオのクラブチームとのフレンドリーゲームを行ってから、その“本番”へ臨むこととなっていたが、急遽実戦を挟まず、平均身長200メートルに迫るユーロ選抜戦に挑むことに。それでも、ロバーツ君は、持ち前の積極性を武器に、3PTを4本決めて24得点を挙げるなど活躍。一方の佐藤君は審判の笛の基準の違いに苦しみ、ファールがかさんでしまったこともあって2得点に終わるも、3アシスト、2スティールを記録するなど持ち味が光った。試合は、終盤までかなりの接戦となったが、最後3分間でつき離され、85―97で敗戦した。高さで優位に立っているユーロ選抜は、ブレイクは出さずにセットからショットクロックを計算した確率の高いシュートでオフェンスを組み立て、ディフェンスでもその高さは驚異となった。

ADIDASバスケットボールアドバイザーのBANG LEE氏は「2人はブロックショットの高さに徐々にアジャストして、シュートの撃ち方を変えていたけど、反復練習をしていないシュートは確率も上がらない。日頃から高さや強度を意識しないと、このレベルでは通用しないと気づけたのが一番の収穫」とゲームを振り返った。




APACチームでの練習も、すべてが新鮮だった。同軍には8人の中国人選手と2人のフィリピン人選手が参加。ヘッドコーチもCBAから派遣された中国人コーチということもあり、最初の練習では「あまりコミュニケーションがとれなかった」と振り返った佐藤君。オールスターゲームでも「消極的だった」という15歳のポイントガードはしかし、上は25歳の現役プロ選手もいたという2試合目の地元クラブチームとの対戦では「課題を強く意識して、しっかりできた」と反省を活かした。技術的にも、オフェンスで相手を1人抜き去りカバーディフェンスが来たところできっちりとパスを捌いたところや、2試合目で速いドライブからの得点を決めることができたことは自身で「通用したと実感した」という。




期間中に行われたアディダスのブランドプレゼンテーションでは、現NBAユタ・ジャズPGでEuroLeague優勝経験のあるリッキー・ルビオがゲストとして登場。ロバーツ君は、14歳という年齢でスペイン1部リーグでプロデビューを果たしたルビオから直接、「先を見据えるのではなく“今”に集中するんだ」という助言を得た。身体能力に秀でる16歳のシューティングガードは、オールスターゲームでも全力を出すことができたことで「いいプレーができた」と話した。




佐藤君もロバーツ君も、短い時間ながらアジアを代表してこのツアーに参加した仲間たちとの交流も楽しむことができたようだ。言葉の壁はあったが、そこは現代っ子。食事の場などではスマホの翻訳アプリを利用してコミュニケーションを図った。ロバーツ君はフィリピンの選手たちと英語で会話することができたので、佐藤君を交えて4人で街のプレーグラウンドでバスケットボールをする機会もあったそうだ。




まだ大人ほどのコミュニケーションスキルのないこの年代の彼らだが、バスケットボールという共通言語を通じて徐々に壁を取り除いていったようだ。「(中国人選手たちが)何を言っているか分からないこともあったけど、コート上や休憩中などで僕らは絆を築くことができた」とロバーツ君は微笑んだ。

アメリカ人の父親を持ち、英語を話すとはいえヨーロッパで初めてのプレーとなったロバーツ君と、海外渡航自体が初めてだった佐藤君にとって、戸惑いに直面すると同時にすべてが新鮮で刺激的だったはず。現地で彼らの行動を見てきたBANG LEE氏は、「プレー面では2人とも積極性を見せ、2人とも高いポテンシャルを示した」と評価しつつ、「将来、高いレベルでプレーすることを目標にするのならばさらに意識を高めていく必要がある」とした。

例えば、前述したブランドプレゼンテーションでのルビオへの質疑応答では「ヨーロッパの選手たちが次々と質問を投げかけていた」とBANG LEE氏。「彼らはNBAや高いレベルのプロリーグでのプレーをすでに見据えて日々に努めている」と続け、日本人を含めたアジア人の意識との乖離について「恐怖心」という表現を使って、危機感の大きさを示した。今回ツアーへ参加した2人も、現地で受けた刺激はやがて薄れていきかねない中で、今後もどれだけ努力し続けられるかが、将来、どこまでの高いレベルにまで到達できるかを左右すると付け加えた。

「今回は貴重な体験をしました。自分はプロになりたいという気持ちになるという目標があるので、このツアーで経験したことを力にして頑張っていきたいです」

(佐藤君)

「試合での気の持ちようや、試合中にアジャストすることなど、今回学んだことを日本でも継続してやっていきたいです。そうすればより高いレベルでプレーできる」

(ロバーツ君)

望んでも行けるものではない舞台を体験してきた佐藤君とロバーツ君。濃密な時間を過ごし、少なくとも今の彼らのモチベーションは高いだろう。しかしBANG LEE氏が言うように、高みを目指してそれを今後も続けていけるか。すべては彼ら次第だ。

adidas

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