2人の若き才能がADIDAS EURO TOURで世界へチャレンジ!

FEATURE | MAY. 27, 2019

アディダスが世界と勝負できる日本人バスケットボール選手を育成するプロジェクト「ADIDAS NATIONS TOKYO」。昨年に引き続き、今年も2名の若きボーラーが、「ADIDAS EURO TOUR」で貴重な体験をするチャンスを得た。

Text/ Kaz Nagatsuka
Photo/Nowri

【動画】昨年の「NATIONS TOKYO」の様子。キング開(現専修大学2年)と大橋大空(現アメリカプレップスクール)の2名が、セルビアの地で世界に挑んだ。

今回、選抜をくぐり抜けツアーへの切符を獲得したのは今年から名門・福岡第一高校でプレーする佐藤涼成君と、アメリカ人の父親を持つケイン・ロバーツ君だ。

岩手一関市出身の佐藤君は磐井中学時代の昨年、同県の中学総体で優勝に導いた172cmのポイントガード。スピードが売りでその実力が買われ名門高校への入学を果たした。これまで海外渡航の経験はない15歳だが、初めての外国がいきなりの特別な機会となる。

一方のロバーツ君は、横須賀軍基地内にあるキニック・ハイスクールとインターナショナルスクール等に通う選手で構成されるクラブチーム、Tokyo Samuraiでプレイする16歳のシューティングガード。身長はすでに184cmあるが、身体能力の高さが際立つ選手だ。




2年目を迎える今回のツアーで2人が向かうのはスペインのビルバオ。NBAに次ぐ世界最高峰の舞台であるユーロリーグ・ファイナルフォーの開催地であるビトリア・ガステイスの近郊にある同国北部の都市だ。このビルバオをベースとして、全行程約1週間の、中身の濃い日々に臨む。2人は中国人やフィリピン人らと構成するAPC(アジア太平洋)チームの一員として、同じくヨーロッパの高校生年代の選手で構成されるオールスターチームとのゲームにも参加することとなっている。

離日は5月14日の夜だったが、2人は同日、ADIDAS NATIONS TOKYOでのトレーニングで最終準備を行った。トレーニングのセッションではADIDAS Training Academyの門田正久氏の指導の下、今季、Bリーグ連覇を飾ったアルバルク東京の小島元基選手、齋藤拓実選手、青森ワッツの宮越康槙選手らとともにファンクショナルトレーニングや体幹トレーニングを実施。

高校生年代の2人は当然ながらプロの選手たちと比べると線は細いが、若さの分、柔軟性では上回っているように見えた。実際、「バスケットボールをプレーする上で股関節(の柔軟性や動き)は重要で動きの中からそれを作っていくことが大事」と門田氏が説明する場面もあり、選手たちは真剣に聞き入っていた。

その後には、ADIDASバスケットボールアドバイザーのBANG LEE氏によるスキルトレーニングで汗を流した。本来、野外で行われるはずだったスキルトレーニングは雨のために急遽、屋内スタジオで行われることとなったが、2人は、小島選手らプロ選手らと同じドリブルメニューなどを必死に取り組んだ。

「ゴムを使ったものだとかボールハンドリングだとか、結構きつかったですし、自分はまだ(完璧には)できないと思いましたが、楽しかった」と話した佐藤君は、渡航前に充実した表情を見せた。一方のロバーツ君も「ボールハンドリングなど多くのことを教えてもらったので今後も続けていきたいです」と話した。

将来はプロ選手になることを目標にする佐藤君とロバーツ君にとって小島らプロ選手らとのワークアウトは貴重な時間となったわけだが、彼らプロ選手にとっては今回のツアー参加という機会を得た2人が羨ましかったようだ。

「自分が高校生の時はこういうシステムはなかったですし、日本代表にでも入らない限り海外を経験する機会はなかったので、こういうチャンスがあれば行ったほうが良いです。色々経験すればどんどん道が広がりますし、レベルアップするための近道になると思います」(小島)

「今日はシュートの練習はできませんでしたが、2人がスペインで活躍する報告が聞けたら楽しみです」(齋藤)

トレーニング後には、アメリカで大学生活を経験し現在はBリーグ・横浜Bコルセア―ズでプレイする田渡凌選手が2人の激励に訪れ、「日本から来たと舐められるだろうけど、そこでやり返す気持ちを一番のモチベーションにしてほしい」「言葉が通じないとしてもバスケットボール自体がひとつの言語であるわけだからボディランゲージも含めてどんどんコミュニケーションを取ってほしい」とハッパをかけた。

田渡は、今の2人の年代ならば技術的には「世界のどこへ行っても通用する」はずだから、自信を持ってやることが大切と勇気づけると同時に、もし自身のプレーが試合や練習で通用しなかったとしても、他のプレーを選択するなどですぐにアジャストすることもまた大事であると説いた。


この日のトレーニング以前にも2人のプレーを見ているBANG LEE氏の彼らの評価も高い。「ケインは今年16歳にしてはIQも高くボールもちゃんと大切に扱っているし、変なターンオーバーもない。涼成はファンダメンタルができているし、体幹が強いからコンタクトがあってもボールが離れないですね」(BANG LEE氏)

一方で、サイズやフィジカルの異なるヨーロッパの選手たちとの対戦は、佐藤くんとロバーツ君にとって日本でやってきたプレーがそのまま通用しない可能性も大いに考えられる。しかし、いかなる状況であれそれにすばやくアジャストすることが2人には求められる。例えば、シュートがブロックされたならばその次は「DFに自分からバンプして更に遠くから撃つ、とかブロックの高さによってフローターで撃つとか、そういうのが絶対に大事。そういうのは最低限できる選手にならないと、これから彼らが行こうとしているステージへは簡単には行けない」とBANG LEE氏は強調した。

ADIDAS NATIONS TOKYOのメンバーがADIDAS EURO TOURに参加するのは今年が2年目だが、BANG LEE氏によれば昨年、同ツアーで渡欧したキング開君(現専修大学2年)と大橋大空君(現アメリカプレップスクール)は「言い訳をしなかった」とし、今年の2人にもツアーを「ただの“経験”にするのではなく、すべてを“本番”にしてほしい」と期待をかける。

APCチームの構成は12人の選手のうち8人が中国の選手で、コーチ陣も中国人である。おとなしいと言われる日本人だが佐藤君とロバーツ君には試合や練習、その他のアクティビティでもプレーや態度でどんどんアピールすることで2人にしか得られない、かけがえのない体験をしてもらいたい。

次回は、佐藤くんとロバーツ君のスペインでのプレーぶりの他、彼らが何を見て、何を感じてきたかを帰国後の2人に直撃し、レポートする。



adidas

MOST POPULAR

2人の若き才能がADIDAS EURO TOURで世界へチャレンジ!

FEATURE | MAY. 27, 2019

「ADIDAS NATIONS TOKYO」の2人が「ADIDAS E…

FEATURE | JUN. 13, 2019

馬場雄大の挑戦「夢のNBA今のタイミングがベスト」

OTHERS | JUN. 17, 2019

2018-19 SEASON PLAYBACK|vol.3 岸本隆一

COLUMN | JUN. 14, 2019