カルチャー オブ バスケットボールの聖地を体感!「BATTLE FORCE」ニューヨーク ツアーに密着

FEATURE | APR. 26, 2019

1982年の誕生以来、さまざまなストリートカルチャーを代表するキックスとして多くの支持を集めてきた「ナイキ エア フォース 1」。この希代の一足をリスペクトするべく、日本でも開催されたバトル型イベント「BATTLE FORCE」。3×3 バスケットボール、ダンス、ラップそれぞれのカテゴリーで頂点にたったチャンピオンたちへのプライズとして用意されたのはニューヨーク ツアーだった。日本のシーンを代表する実力者たちが、カルチャー オブ バスケットボールの聖地ニューヨークを訪れた濃密な数日間を追った。

3×3男子トーナメントを勝ち上がったKALIDEのメンバー、長谷川聖、高崎陽平、菊池亨、早瀬敏高、女子優勝のSHONAN SUNSのメンバー、本田雅衣、安江舞、桂葵、ラップバトルの勝者aonisai、そしてダンスバトルを制した優弥、「BATTLE FORCE」のチャンピオン総勢9名がジョン・F・ケネディ空港に降り立った。若干16歳ながらニューヨーク アポロシアターの「アマチュア・ナイト」にて週間・月間チャンピオンのキャリアを持つダンサー優弥以外は、はじめてのニューヨーク来訪。空港からマンハッタンへ向かう道中で最初に訪れたスポットが「Brooklyn Bridge Park」。ブルックリン橋の埠頭に作られた広大な公園内には大規模なスポーツ施設があり、そこに屋根付2面を含む5面のフルコートが騒然と並ぶ。背景にマンハッタンのビル群がそびえ立つフォトジェニックなプレーグラウンドだ。日本ではみられないスケールの大きさに、いよいよはじまったツアーへの期待も膨らんだ一行は、その後ホテルにチェックイン。初日のメインイベントであるマジソンスクエア・ガーデンでのNBA観戦まで、各々はマンハッタンの街並みを歩いて、憧れの地ニューヨークの空気を思いっきり吸い込んだ。




マイケル・ジョーダンをはじめ、NBAのスーパースターたちが数々のビッグゲームを繰り広げてきたマジソン・スクエア・ガーデンは、バスケットボールの歴史が詰まった伝統あるアリーナだ。全米でも最高のファンとして知られているニューヨーカーたちのライフスタイルには、バスケットボールが溶け込んでいてガーデンがその中心にある。ジェームズ・ハーデンやクリス・ポールといったスターを擁する西の強豪ヒューストン・ロケッツを迎えたホームゲームは、ティップオフまでには2万人の席がみるみる埋まっていった。試合開始からロケッツのエース、ジェームズ・ハーデンが1on1で次々にシュートを決めていく。5年連続プレーオフ進出を逃しているニックスに過度な期待はしていなかったのだが、ガーデンの熱狂的なファンの声援をうけ前半を63-58でリードする引き締まったゲーム展開にみんな大興奮。この時点ですでに36得点を挙げていたハーデンのプレーを生で観られる高揚感は言葉では表現できないほどだ。しかし、前半はあくまで序章に過ぎずハーデンの勢いはとどまることを知らなかった。


後半に入ってもボールを持ったハーデンは常に1on1を仕掛ける。ドリブルから多彩なステップでリングにアタックし、ディフェンスをあざ笑うかのようにステップバックから3Pを放つ。もうニックスにはファウルするしか彼を止める術はなかったが、均衡するゲームは4Q終盤までもつれ残り1分を切るとガーデンは総立ちに。しかし、ニックスの粘りもハーデンを引き立てるものでしかなかった。3Pシュート5本を含むフィールドゴール17本、フリースロー22本に、15リバウンド、4アシスト、5スティールを記録し、キャリアハイの61得点を挙げたハーデンは114-110でチームを勝利に導いた。ロケッツの球団新記録となった61得点は、コービー・ブライアントと並ぶロードチームの最多タイ記録。ビギナーズラックといっていいのか、歴史的なゲームの目撃者になったのだ。衝撃的なNBA初観戦の興奮冷めやまないまま、エンパイアステートビルの展望台へ向かう。エントランス職員や警備員までも職務中にもかかわらず、みんなさっきのゲームの結果を知っていた。街中がハーデンの話題でもちきりだ。展望台から広がるニューヨークの夜景をみながら、ここがカルチャー オブ バスケットボールの聖地だと実感したのだった。




翌日は、ニューヨークで活躍する日本人アーティスト山口歴(Meguru Yamaguchi)さんに会うためにブロンクスへ向かった。天気はあいにくの雨だったが、強烈な寒気に襲われていたニューヨークにとっては、いつもよりも温かい恵みの雨なのだ。オーナーに見込まれた才能あるアーティストが集まりアートコミュニティと化している建物「Andrew Freedman Home」の一部屋に山口さんのアトリエはあった。一歩足を踏み入れると壁にも床にも強烈な存在感を放つ作品で溢れていた。「ブラッシュ ストローク」という手法を用いて、類まれな色彩感覚で描かれた伝統的な筆跡を立体にして浮かせる作品は独創的だと、現代アートのシーンで大変な支持を集めている。

「枠にとらわれないように意識しています。普通の絵画作品って写真もそうなんですけど、全部四角のキャンバスのなかに入っているじゃないですか。僕の作品は枠を取っ払って、ブラッシュ ストロークを単体として独立させている。突き抜けるとか、枠を超えるとかが作品に出るように心がけている」。

最新機器を駆使しつつ手作業もおこなう。デジタルとアナログを行ったり来たりしながら作品を生み出す彼の制作意欲は、とにかく自分が心から楽しむこと。

「自分の新作を見るのが一番ワクワクするというか、とにかくシンプルに自分の新作にワクワクしていればいいかなと。楽しんでないと人って感動しないし、自分が心から楽しんだらきっとそれがいい作品になったりとする」。

「なんでもそうなんですけど楽しさってどこにでもあると思っていて。ようは楽しさに気付くかどうか。例えば僕はいつも新作にはちょっとした新しい要素を入れるんですよ。マンネリが一番まずい状態だと思うんで。常に新しいことを積み重ねていくというか、そういうことを自分で発見しない限りは進化しないと思っている」。

いまでこそ新進気鋭のアーティストとして知られるが、一念発起して単身ニューヨークに渡ったのが2007年。これだけで食べていけるようになったのがわずか2年前からだという。自らをセルアウトな動きだと評するが、あくまでも目まぐるしく変化する現代のスタイルに合わせた動きだ。そのなかで自分が表現したい本質を追い求めている。

「いまSNSを見ているとファッションとアートの消費のサイクルがタイムライン的ですごく速い。そのなかで現代アーティストは生きていかなきゃいけなくて。僕がやりたいのは速いスピード感のなかでも心に残る作品っていうか」。

「本物ってなんだろう? 本質ってなんだろう? 自分が本当に言いたいことはなんだろう? 100年残るモノってなんだろう? それが本当の伝統やカルチャーになっていくんだと思います。誰が本当のことを言っているのか? そういうことを見極める目を養うのが重要かなって思います」。

日本を飛び出しニューヨークを拠点に世界の舞台で活躍しているMeguruさんの言葉にみんな心を打たれた。「本物を見せたい。作っていきたい」とみんなが行動に移せば、いずれそれがカルチャーなる。そんな確信に近い感覚を共有できた時間だった。






ブロンクスからマンハッタンに向かってハーレム川を渡り155ストリートに降り立つ。ストリートボールの聖地「Rucker Park」は絶対に訪れたい場所だった。このハーレムエリアのごく普通の街の公園で毎夏おこなわれるEBCリーグでは、コービー・ブライアントやレブロン・ジェームズ、ケビン・デュラントなどといった多くのNBAスターがプレーしていることでも知られる。東京代々木公園のプレーグラウンドも「Rucker Park」のように日本の聖地を作りたいという想いからつくられたのは有名な話だ。当たり前のようにNBAと公園がリンクするプレーグランドのサマーシーズンに再び訪れたい。雨が降るコートに立ち、誰もがそう思った。




とうとうニューヨーク最後のアクティビティに向けイーストビレッジへ。オフ・ブロードウェイと称される比較的小さい劇場で上演されるプロのミュージカルの代表作として、初公開の1994年以来25年にわたりニューヨークの象徴的存在として公演されている「STOMP」を観劇した。手にしたほうきやゴミ箱など、身の回りにあるすべてのモノを楽器にかえ生み出されるパワフルなミュージック。舞台に上がった演者のダンス、コメディが融合した圧倒的なパフォーマンスが劇場を揺らすたびに湧き上がる大歓声。伝わってくるのは演者も観客も本当に楽しんでいること。エンターテインメントに対して誰もが少しも恥ずかしがることなく存分に楽しみ、表現者に対するリスペクトを誰もが持っていた。


カルチャー オブ バスケットボールの聖地ニューヨークで体感したのは、「個」が表現する自由なクリエイティビティへのリスペクト。それぞれの人の思いが進化して、それがカルチャーと根付いていくのだろう。最終日、再びジョン・F・ケネディ空港にあらわれた9名は、ここで掴んでインスピレーションを個々に生かしていくはずだ。

「NBAを初めて観ていっぱい感じたことがあったんですが、ニックスのホームなのにハーデンを応援している人が多くて、ハーデンがいいプレーしたらどよめきが起きていた。リアクションが正直ですよね。感動したら自分の気持ちを恥ずかしげもなく表現しているのが羨ましかったし、すごく感情を沸き立てられました。3×3では勝ち負けがメインで、それはNBAも同じだとは思うんですが、それでもあれだけ周りを巻き込んで魅了できるハーデンにやられました。僕もああいうふうになりたいなと思いました」(菊池亨/ボーラー
3×3バスケットボール男子日本代表候補に選出

「最近美術館に行ったりポスターを貼ってみたりアートに興味があったなかで、Meguruさんのアトリエは衝撃的でした。今まで触れ合ったことないアーティストの方がどんな思いでやっているか、リアルな声が聞けて感動しました。自分も2020年に向けて感動を与えられるような、チームだったり、選手になっていきたい。好きだからやっているのは当たり前だったんですが、こういう考えあるんだって。ものすごく共感できました」(長谷川聖/ボーラー
3×3バスケットボール男子日本代表候補に選出

「今までの僕のバスケットスタイルって勝ち負けがすべてじゃないですけど、やっぱり一番大切だって思って試合や練習に臨んでいたんですが、ニューヨークに来て、いろんなものを見ているなかで楽しむっていうことが一番大切なんだなって思えて。トレーニングもそうですし、バスケットへの向き合い方や仲間との付き合い方も楽しむことを一番に考えていきたい。今後はそれを意識づけてやっていきたいと思いました」(高崎陽平/ボーラー

「自分が絶対関わることがなかったであろうアートの世界、Meguruさんに触れ合う機会があって。この人の生き方はすごく尊敬できると感じた。軸をしっかり持って何かに影響されることなく、自分の道を突き進める強さを持っている方をみると、日本人も世界でやっていける。そういう人の生き方を真似していきたい」(早瀬敏高/ボーラー

「JX時代にアリゾナのキャンプなどでアメリカには来たことがあったのですが、NBAを生で観るのは初めてでした。楽しみにしていたハーデンの61点という記録的なゲームはすごい思い出になった。NBAのプレーをそのまま取り入れるのは難しいとは思うけど、どんな環境であってもベストな状態でゲームに入れるように心がけたい。最初はすごく戸惑った3×3もいまは楽しいなって思いるし、まだまだ学ばなければいけないことがたくさんある。今回もそうですけど、いろんな人と関わることは勉強になるし、すべてが自分のためになった」(本田雅衣/ボーラー

「NBA観戦の直後に行ったエンパイヤステートビルの警備のおじさんがすでに結果を知っていたりとか、次の日にたまたま訪れた店の店員さんがハーデン最高記録出したねと話していたり、日常でバスケットボールが話題になっているのに驚いた。そういう部分も含め日本と大きな違いを感じた。ニューヨークにいる人はみんな陽気で、そこにただいるだけで楽しめる雰囲気が最高だった」(安江舞/ボーラー

「自分自身のコンテンツ力を高めたいなって思いました。人々に熱狂される人でありたい。人をわくわくさせられるような人になりたい。プレーヤーとしての側面が強いと思うんですけど、一人の市民として消費者として、スポーツにかぎらず一つひとつの出来事にしっかりアンテナを張って、わくわく感を提供したいし、追い求めたい。そういったものを定義できる人でありたい」(桂葵/ボーラー
3×3バスケットボール女子日本代表候補に選出

「違うジャンルのバスケとかラップの方々とのお話だったり、Meguruさんからはアーティストが好きなものに打ち込む姿勢を学んだし、その原動力というかどんなモチベーションで臨むのかなど、非常に勉強になりました。この経験はこれから自分が挑戦し続けていくなかで大事になってくると思います」(優弥/ダンサー
“Juste Debout TV”に出場。

「町を歩いていてもそうなんですけど、New YorkとかBrooklynとか入っている服を着ている人が多くて、それを好き勝手にやっているなというのが受け取れて。自分の住んでいる町や周りにいる人を大切にしたり、音楽が好きなら音楽を、バスケが好きならバスケを大切にする。上っ面だけじゃなく深いとこまで大切にすることがホント大事なんだなと思いました」(aonisai/ラッパー
1stアルバム“CLANK IN”をリリース。ニューヨークで撮影したPV“Opening”も公開中!










NIKE SPORTSWEAR

MOST POPULAR

2人の若き才能がADIDAS EURO TOURで世界へチャレンジ!

FEATURE | MAY. 27, 2019

JORDAN BRAND SPECIAL INTERVIEW|KEMB…

FEATURE | JUL. 11, 2019

JORDAN MARS 270 ‘GREEN GLOW&#…

| JUL. 6, 2019

あなたの知らないカイリー・アービングについての10の事柄

OTHERS | JAN. 10, 2015