SPECIAL INTERVIEW|ジェリー・ロレンゾ

FEATURE | DEC. 26, 2018

バスケットボールシューズ「Air Fear of God 1」、「Nike Air Shoot Around」をはじめとするナイキとのコラボレーションプロジェクト「NIKE X FEAR OF GOD」が発売されたFear Of Godのデザイナー、Jerry Lorenzo(ジェリー・ロレンゾ)。今回の発売に合わせて来日した彼に、バスケットボールとファッションについておおいに語ってもらった。

Text/Jiro Ikeda


―バスケットボールとの出会い、そしてそれがどのように自分がつくるファッションデザインに影響を与えたのかを聞かせてもらえますか?

父親がプロ野球選手だったから最初は野球が好きでした。でもだんだんとバスケに惹かれていきました。バスケのほうがクールでセクシーだし、高校のときは誰も野球の試合を観にいかなかった(笑)。 女の子はバスケの試合を観にいくことが多いからね。

―マイケル・ジョーダンの時代ですよね?

イエス。高校を卒業したのが95年。ちょうどジョーダン 11が出た年だ。ジョーダンの、そしてエア ジョーダン シリーズの最高の時代を見てきた。僕はスニーカーヘッズではなかったし、コラボや色などを気にしたこともなかった。とにかく世界最高の選手が履いている世界最高のシューズ。スニーカーに関して自分が強く情熱を持っていたのはコート上での存在感という部分であり、それが一番理解されなきゃいけないことです。

―そこが核となるわけですね。

だから今回のナイキとのコラボも、自分が一番強い想いを持っている部分から外れてしまったら満足するものはつくれなかったと思う。自分が一番よく知っていること。それはジョーダン11であり、ジョーダン6です。それらは当時斬新だった。そういう新しい形やデザインを求めていた。だから、今回は自分にとってすごくいいタイミングで、自分が想いを持っている部分に関して、ナイキがすごくオープンでいてくれた。ナイキに説明したのは、自分が一番得意なことは形状やプロポーション、そして想いやストーリーを語れるということ。そういう角度からアプローチすることで、すごく画期的なことができると思う。

―当時好きだったチームや選手について聞かせてもらえますか。

ニックスのジョン・スタークスだね。ティム・ハーダウェイも好きでした。そのときのゴールデンステイト・ウォリアーズのチームは最高だった。クリス・マリン……

―RUN-TMC!

イエス。RUN-TMCは大好きでした。ジョーダンは彼ら全員のさらに上にいる存在でした。みんなジョーダンが好きだったけれど、僕はジョン・スタークスとかあんまりみんなが好きじゃない選手も好きだった。ウォリアーズにしてもそう。みんなと違うチョイスっていうのもよかった。

―ということは、GOAT(歴代最高の選手)はマイケル・ジョーダン?

この前のCOMPLEXCONでアレン・アイバーソンがすごくクールなことを言っていた。「カイリー・アービングが今やっていることを自分は絶対できない。ステフィン・カリーが今やっていることもできない。でも彼らがやっていることの中で、自分のムーブが影響をあたえて、それに彼らが新しいものを加えているのがわかる」って。

―進化したんですね

そう、進化だ。ジョーダンはドクターJからムーブを学んだだろうし、コービーはジョーダンからムーブを学んだはずだ。だから誰がGOATだって決めるのは不公平だと思うけど……。もし一人選ばなければいけないとしたら、史上最も運動能力があるのがレブロン、史上最も能力が高いのがコービー、そしてジョーダンが史上最高のプレーヤーだと思う。道理にかなっているかな(笑)。

―はい(笑)。以前の記事で、自分が育った90年代は、例えばマイケル・ジョーダンやテニスのアンドレ・アガシなどアスリートがファッションアイコンでみんな彼らのようになろうとしていたと言っていたけど、それについて話してもらえますか?

Fear of Godもすごくスポーツ的です。アメリカだと「Jock(ジョック)」って呼びますが、学校では一番人気があるのがクオーターバックだったりポイントガードだったり、いわゆるスポーツのスター選手です。彼らがファッションを引っ張っていた。スポーツ的な視点だ。スウェットパンツとかトラックスーツとか。

―いまはそうではないと?

いまは僕らの時代と違ってキッズたちが簡単にファッションにアクセスできる。ラフ・シモンズとかクリエイティブディレクターのことも知っているし。僕らの時代は目の前のあったものだけでした。SNSもなかった。だから僕のスタイルや着ている服はその時代からの影響が大きい。概念的なファッションの視点ではなく、フランネルとスウェット、みたいことです。何が最高の形状か。どれが最高の生地か。どういうスニーカーが合うか。Fear Of Godをつくるときの視点の多くはスポーツが基になっている。今回のコラボについても、ナイキとは根底にあるものが同じだから、簡単とは言わないけどやりやすかった。ファッション、カルチャー、スポーツ。それらを基にしたストーリーを、自分の服を通して僕はずっと伝えてきた。だから、どのようなデザインにするかは自明だった。

―いまの時代、アスリートはファッションにどんな影響をあたえていると思いますか?

すごく変わってきている。たとえば、NBAの選手は会場入りするときのファッションでも自分を表現できる。いまはオンコートのファッションよりも影響は大きいと思う。ジョーダンの時代は、僕たちが彼のファッションを目にすることができたのは、彼がバス ケをしてるときだけだった。アンドレ・アガシにしてもそう。ユニフォームを通してのみ自分を表現できた。どう着るか、でね。ジョーダンがショーツを長くして着ているとか。リストバンドをしているとか。NFLのウォルター・ペイトンとかもそうです。アス リートはオンコートでの影響力がもっと強かった。なぜならそこが唯一輝ける場所だったから。他と違うことをして個性を表現する場所でもあった。今は、ゲーム会場に到着したときに個性を表現している。ラッセル・ウエストブルックとかクレイジーだね(笑)。 とてもクールだ。まさに自分を表現している。だからいまのキッズたちは、オフコートのファッションのほうをチェックしていると思う。

―少しバスケットボールについての質問をさせてください。今シーズンはどこのチームが優勝すると思いますか?そして好きなチームはどこですか?

優勝するのはウォリアーズだと思う。でも一生懸命応援するには少し強すぎる気がする。レイカーズはいい感じになってきている。レブロンがエネルギーと熱気をロサンゼルスに持ってきてくれた。いまはレイカーズ・ファンです。

―2、3年後には楽しみですね。

もう一人、二人加えれば、たぶん来年ぐらいにはいいところまでいけるかもしれない。

―若い世代では誰か期待している選手はいますか?

今年のルーキーはそんなにチェックできていないですが、ベン・シモンズはいい。デュ ラントもそうですが、オラジュワンみたいな体型で、ポイントガード、シューティング カードをプレーしている。さっき話したことと通じるんですが、進化しています。昔で きたことと、いまできることは違う。若い世代ではベン・シモンズですね。

―いまゴンザガ大学でプレーしている八村塁という選手を知っていますか?

ゴンザガはマウイの大会を観ました。ユニフォームは何番?もしかしてESPNのビーチで のインタビューで日本語をしゃべっていた選手?

―そう。No.21で、MVPをとった選手です。日本代表選手でもあるんです。来年NBAから上位でドラフトされるといわれています。

そうなんだ! それはクールだね!素晴らしい。

―もう一人、渡邊雄太という日本人選手が今年メンフィス・グリズリーズでやっています。206cmでディフェンスができて3Pも打てて、しかも左利きなんです。

すごいね!レフティー(左利き)!

―よかったらチェックしてみてください。

じゃあ日本のバスケはこれから上がってくる! 僕はもともと野球をしていたので、日 本人の野球に対するアプローチとかスタイルがすごく好きでした。メジャーリーグで最 高のスタイルを持ってきたのは日本人だと思っている。イチローは野球史上もっともス ムーズな選手かもしれない。日本人のスタイルはアメリカ人より全然セクシーだと思う。

―バスケでも野球のような成功を期待したいです。今日はありがとうございました。

こちらこそありがとう!



NIKE X FEAR OF GOD

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