3×3の本質を体現したチームたち、PREMIERシーズン王者決定戦で見せた輝き

COLUMN | SEP. 17, 2019

「4人のエネルギーが集まらないと勝てない競技」――
これは3×3.EXE PREMIER 2019シーズンのチャンピオンを決めるPLAYOFFSへ出場したある選手の言葉である。9月7日、8日に東京・六本木ヒルズアリーナで2日間に渡って開催された今大会は、それを体現したチームの歓喜がこだました。

Text/Hiroyuki Ohashi



逆境をはね返した女王BEEFMAN

2シーズン目のWOMEN’SカテゴリーNo.1を決める戦いは、4度のレギュラーラウンドを全て制覇したSEKAIE.EXEが出場辞退を表明。しかしネガティブなニュースを吹っ飛ばし、同2位のBEEFMAN.EXEが1発勝負のトーナメントを勝ち抜いて、初の総合優勝に輝いた。

PLAYOFFS MVPに選ばれた前田有香は、ライバル不在の一報で「コンディションの持って行き方が難しかった」と明かしつつも、「(SEKAIEが)いない中でも最後にファイナルを獲るということは変わらずやろうとなった」と、チームが頂点を目指すことにブレは無かったという。振り返れば、今季はラウンドファイナルで3度負け、Round.2では予選落ち。そんな逆境から再び3x3を積み直すことをはじめ、野呂竜比人ら男子チームとの練習で強度も高めた。その甲斐もあり、Round.2で敗れたSIMONとの苦しい試合も「我慢して、我慢して、最後にディフェンスをもう一回しようという話はしていたので、そこを最後まで4人がやったことが勝ちにつながった」と、一丸となって乗り越えていった。これで国内女子3×3シーンをけん引する彼女たちは、春の3×3.EXE TOURNAMENT、5月の3W(TRIPLE DOUBLE)に続く3度目の国内タイトルを獲得。パイオニアとしての存在感を改めて示してくれた。


強い絆で結ばれた王者BREX

そして6シーズン目の男子頂上決戦は、UTSUNOMIYA BREX.EXEとTOKYO DIME.EXEが激突。プロサーキットを転戦する国内両雄による今季初の対戦は、残り1分を切るまでどちらに勝敗が転ぶか分からないプレーの応酬となったが、最終盤で2本の2ポイントシュートを決めたUTSUNOMIYA BREXに軍配が上がった。

春先から齊藤洋介(YOSK)、Marko Milakovic、Dusan Popovicの3人を軸にチーム作りを進め、前半戦は眞庭城聖(Money)、後半戦は小林大祐が合流。4人目の選手たちがラストピースとなって、PREMIER制覇にたどり着いた。しかし、その道のりは決して順風満帆ではない。とくにMoneyが抜けてからは、国内の全勝記録が途絶え、プロサーキットではレベルが高かったとは言え、Belgrade ChallengerやLausanne Mastersで叩きのめされた。時期こそ明言しなかったが、「一瞬ちょっとチームが難しい時期」もあったとYOSKは話す。そんなとき、彼は「いつも僕たちの結果を見てくれていた、Moneyしかいないなと思って」と、最も頼りになる男へ相談をして、好転へのきっかっけをつかんだ。「素晴らしいハートの持ち主です。感謝しています」と、Bリーグの活動に戻ってもなお、Moneyの存在は仲間の支えになっていた。



さらに、総合優勝の立役者のひとり、小林はPLAYOFFS MVPに選ばれた。遡れば、3×3の本格的なデビュー戦となった5月のALBORADA CUP優勝後、「YOSKさんという良き理解者がいるので、おんぶにだっこの状態でやっています」と話ていたが、3×3日本代表入りやWILL所属での韓国3×3リーグ参戦など、ひと夏でこの競技にしっかりと向き合って、いまでは日本ランキング5位へ躍進。ファイナルでは勝利をたぐり寄せるビックショットを決めてみせた。この約4カ月で彼は「成長や手応えは常々感じている」としながらも、「僕らのチームの良いところは日替わりヒーローが生まれるところなので、そういった意味でも今日(MVPを)獲ったフロックだと思っている。いつも叱られ、言われ、僕も言い返しますけど、そういった仲というのが良いですよね、素晴らしいチームだと思います」と、なんでも言い合えて、信頼できる仲間たちに胸を張った。もちろん、彼らはシーズンを通して、戦術の見直しによって、8月末のFIBA 3×3 Inje Challengerでは初のベスト4へ進出するなど、戦い方のアップデートも怠らなかったが、そのベースには3×3で結果を出すにふさわしい、強い絆で結ばれた選手たちの姿があった。


敗者でも強烈なチームワークを体現したZETHREE

その一方で、敗れ去った中にも、見る者に“チームワーク”は何なのか?を強烈な印象づけた4人がいたこを触れておきたい。ZETHREE.EXEだ。昨シーズンは準優勝、今シーズンはメンバーが変わり序盤こそ出遅れたが、尻上がりに調子を上げて地区2位へ。DAY1から2戦連続の逆転勝ちで勢いを加速させ、DAY2の初戦で32戦無敗のTACHIKAWA DICE.EXEを22-20で破る劇的な勝利を収めるに至った。続く準々決勝ではTOKYO DIME.EXEに敗れはしたが、小寺裕介(DELA)は、「悔いはないです」とすべてを出し切った。メンツの中には外国籍選手もいなければ、現役の3×3日本代表やBリーガーもいない。タレント無き集団ではあるが、個々が持つ、シュート力やリバウンドの強さ、粘り強いディフェンスなど、持てる力をコートに注ぎこむ姿は圧巻であった。優勝には届かなかったが、「このメンバーでやれたことに価値があると思う。このシーズンを送れた仲間に感謝をしています」と、DELAの言葉からは、勝敗を超えて彼らが本気で3×3に向き合ったことを感じさせてくれた。気が早く来季について問うと、「日本一を目指したい気持ちはありますけど・・・・・ 仲間と戦うことに対して3×3の魅力を感じている。“本当にコート上では4人のエネルギーが集まらないと勝てない競技”です。僕はその熱さに魅力を感じているので、その先に日本一があればいいなと思っています」と答えてくれた。3×3の本質が詰まっている、そう感じさせるZETHREEだった。

3×3の熱き戦いに終わりなし

様々なドラマを見せてくれた3×3.EXE PREMIER 2019。かつては9月で3人制のシーズンエンドを迎える雰囲気すらあったが、いまではそんなことも無くなった。UTSUNOMIYA BREXやTOKYO DIMEのような世界を転戦するチームにとってはこれからが佳境。残されたプロサーキットで、今季最高の結果を出すべく、まだまだ歩みは止まらないし、世界の強豪TOP12がやってくる11月のクラブ世界一決定戦、FIBA 3×3 World Tour Finalも大きな目標だ。さらに国内に目を向けても、JBA(日本バスケットボール協会)のJAPAN TOURも来年1月のFINALまで全国各地で大会がセットされている。変化を続ける日本の3x3シーンを作っていく、選手たちの熱き戦いに終わりはない。




3×3.EXE PREMIER

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