音楽フェスとバスケットボール

COLUMN | JUL. 31, 2019

現在3on3や3×3は、ハーフコートのコンパクトなスペースと機動力で、多種多様なイベントにコンテンツとして登場。スポーツとして、ストリートカルチャーとして、イベント会場の一角に異空間を生み出している。そんな中でも非常に稀なケースをDJ MIKOが先日経験し、その時の感想を語ってくれた。

text/DJ MIKO

大阪の老舗ストリートボールクルー「大阪籠球会」が、2008年から出演している野外ロック・フェスティバル「京都大作戦」。ステージ上でのボールパフォーマンスだけでなく、会場施設内の体育館で行うトーナメント「京都大作戦杯」もプロデュース&出場しています。

昨年が豪雨により中止となった為、今年は“倍返し”と銘打って2週に渡り計4日間開催。各週、様々なチームが集まりタフなトーナメント戦が繰り広げられ、私はDJとして初週の2日間に参加してきました。

昨年は会場まで辿り着いたものの、無念の中止でしたので、今回初めて実際にあの空間を体験。今まで経験してきた“音楽イベント内でのバスケットボール”との大きな違いに驚き、感服したのでした。



通常、音楽イベントにバスケットボールが組み込まれる場合、当然ながらあくまで“おまけコンテンツ”のひとつ、箸休めのような立ち位置となり、休憩エリアやサブコンテンツエリアで行われます。

ですが京都大作戦では、例えばウェブサイトを見ると、出演アーティストと横並びで「京都大作戦杯」が載っています。メインステージ、サブステージ、バスケットボールの3本柱なのです。メインステージのWANIMAの次に、体育館で決勝戦、そんなタイムテーブルだったりします。ここまで音楽と対等にバスケが扱われているフェスや音楽イベントを私は知りません。


さらに凄いことに、フェス全体のグッズとして“バスパン”があることです。京都大作戦×大阪籠球会×AKTRのトリプルネームのバスパン製作が始まったのは2011年から。毎年数千枚販売されているそうです。1日約2万人の来場者、私が見た限りその10人に1人くらいは、歴代のバスパンか、事前販売で購入した今年のバスパンを履いていましたね。バスパンだらけのフェスなんて世界中探しても京都大作戦だけではないでしょうか。

そして、LIVEを控えたアーティストさん達が、飛び入りサプライズでフリースローを打ちに次々登場してくれます。

ゲーム開始、すぐさまシュートへのファウル、フェス出演者の曲が流れる、本人登場、フリースロー、決まって大盛り上がり、ゲーム再開。

このお決まりの流れはエンタメとして素晴らしかったですし、登場時の会場の盛り上がりは鳥肌ものでした。



なぜ京都大作戦は音楽フェスにも関わらず、ここまでバスケットボールに重きを置いてくれるのか。今まで疑問に思っていましたが、今回参加させてもらいよく分かりました。

それはジャンルを越えた“共鳴”をしているからです。では何に共鳴しているのか、それは取り組む姿勢、誠実さです。

京都大作戦の主催者でありメインアクトでもある「10-FEET」の皆さんの真摯な姿は、昨年中止になった際の各所への対応、スタッフの方々へのお言葉なので、部外者であった私も胸が熱くなるものがありました。“こんな方達が先頭にいるから、他のアーテイストもスタッフもお客さんも付いていくんだな”、そう身をもって知りましたね。


そしてそれと同じくらい、去年も今年も大阪籠球会のこのフェスに取り組む姿勢に感動しました。彼らも出演者・出場者でありながら、バスケ部門のホスト役として、常に他チームやMC・DJへ気を使ってくれます。宿泊・移動・食事・衣装まで、至れり尽くせりの環境を用意してくれました。リーダーMARU君の尽力はもちろん、“ストリートボール界のフェス番長”であるISE君の真剣な眼差しを目にする度に、こちらの背筋も正されましたね。

「普段人前でバスケを通じて表現している皆さんなら、京都大作戦のLIVEから学べること、刺激になることがきっとあると思います。」

そう力強く語るISE君は、まさに音楽とバスケの架け橋となっていました。



そんな清々しい空気のなか行われたトーナメントは、どのゲームも素晴らしく、優勝した「ALLBLUE」の気迫には圧倒されましたし、その決勝での相手「O.R.K.」が見せてくれた可能性にはゾクゾクさせられましたね。

エキシビションで出場した地元プロチーム「京都ハンナリーズ」の選手の皆さんも、プロらしい立ち振る舞いとハイレベルなプレイで見事な花を添えてくれました。





バスケに誠実な選手達と、音楽に誠実なアーティスト達が、ジャンルを越えて共鳴し融合しているフェス、それが京都大作戦。来年も参加できることを心から楽しみにしています。

私にとって本当に何もかもが素晴らしい経験でしたが、我が同士、大阪籠球会に次会ったときに抗議しようと思っていることがひとつだけあります。控室の表記、私はDJです。

京都大作戦2019

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