SOMECITYの言葉

COLUMN | MAR. 9, 2019

今や全国21都市で開催され、日本のSTREETBALLの象徴である「SOMECITY」。その FINALの場には、幾多のプレーやゲームだけでなく、貴重な言葉の数々があった。会場で一部始終を目撃したDJ MIKOが自身の言葉も交え、ここに書き残す。

text/DJ MIKO


長くて広大なSOMECITYのシーズン、その最後の舞台が「SOMECITY THE FINAL」。先日、2018-2019シーズンのTHE FINALが行われ、KIDROCにより再び東京へ最強の称号が戻ってきました。熱気と興奮が充満したこの1日で、完全な静寂のなかマイクを握る人物が毎年2人います。MAMUSHIとTANAです。

MAMUSHIは決勝前。TANAは全てが終わった後。あんな空間でよくスラスラしゃべれるなと毎年感服しています。そして実は、この2場面こそがTHE FINAL最大の見所であり、“次の1年”の灯台とも言えます。では今年彼らはあの場で何を語ったのか。私なりの解釈で紹介したいと思います。

数百のチームの頂点が決まる決勝直前。既に会場は異様な空気ですが、そこに一石や爆竹を投じるのがMAMUSHIです。
これまでは地方のシーンを叱咤・鼓舞することも多かったですが、既に東京1強ではなくなった現在、話は次なる段階へ。彼の言葉で要約するなら、“STREETBALL戦国時代”についてでした。

2008年から2016年までは全て優勝はSOMECITY TOKYOのチームでしたが、2017年はGENKI(仙台)、2018年はFRONTOOTH(大阪)が優勝し、まさに戦国時代へ突入。2019年もIn Your Face(名古屋)が大健闘していました。

“東京をお手本に”、“憧れのTEAM ballaholicが来てくれる”、そんな感覚はもう古くて、“俺らの地元で俺らがかましまくって、その結果、全国の連中も驚かせる”、そのフェーズに入ったことをMAMUSHIは宣言していました。

そしてキーワードは、その日の冒頭から彼が多用していた「スパイス」。世界中に様々な香辛料や調味料があるように、日本のSTREETBALLでも各人・各都市がオリジナルの味、それも刺激的な味付けが必要。でないとその他大勢にすぐ埋没してしまう、そんな自由で過酷な時代の到来を表した言葉ですね。

優勝したKIDROCがベンチで見守るなか、シーズン全てを締めくくるのがTANAによる談話です。
“昨日負けたからって酒飲んで浮かれてるのもいいけど”みたいなスパイシーなお言葉もありましたが、彼もMAMUSHIと同じく、各地域の独自の発展を願っていました。

その際にTANAが用いる表現は、“もっとバスケで遊べ”です。そしてそれがSOMECITYでは最も大事だと言っています。“勝ち負けすらどうだっていい、一番バスケで遊べてるやつが見たい”と、リーグのオーガナイザー自らが言い放つなんて凄いことですね。でもその信条を貫いてきたからこそ、今のSOMECITYの盛り上がりがあるのでしょう。

“バスケで遊べ”とは、言い換えるなら“やりたい事があるならやっちゃえ”です。なのでバスケ選手だけへのメッセージではありません。プレーを観ているお客さんが、バスケでこんな好き勝手やってる人がいるんだから、私だってやれるかも。そう思わせる空間にSOMECITYをしたいのだと改めて思いました。


MAMUSHIは他にも、プロバスケがそのまま食べられる上質な刺身だとしたら、STREETBALLはたっぷりスパイスを効かしたソウルフードみたいなものだとも言っていました。ソウルフードとは地元の味、お袋の味、またはB級グルメといったものでしょうか。“同じバスケを観るんだったら、NBAかプロを観た方がレベルが高くていいのでは”というご意見への返答にもなりますね。

なんの肉使ってるんだかよく分からないし、味付けも単純でやけに濃いんだけど、どうしようもなくクセになってしまう。そんなクラブチッタ近くの中華料理屋のツマミにSOMECITYは似ているよ。そう言ったらきっとTANAに叱られるでしょう。

DJ MIKO
SOMECITY

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