Analyst report「Bリーグ開幕で注目した千葉と川崎」

COLUMN | OCT. 24, 2018

スポーツアナリスト西原雄一が分析する観戦レポート「Analyst report」。Vol.5では3年目のシーズンがスタートしたBリーグの強豪2クラブをフォーカス。


第1節と第2節は、千葉ジェッツと川崎ブレイブサンダースの試合を主に観戦しました。両チームは第1節で対戦し、川崎ブレイブサンダースが2連勝しましたが、試合を見ていると、両チームにとっては取り組むべき課題が見つかった4試合だったのではないかと感じました。


ペイントエリアの得点で上回った川崎ブレイブサンダース

第1千葉ジェッツとして誤算だったのは、ファジーカスが欠場した川崎ブレイブサンダースにペイントエリア内の得点数で、上回られたことだと思います。

両チームのペイントエリア内の得点数を比較すると、第1戦は40-44、第2戦は28-30で、川崎ブレイブサンダースが千葉ジェッツを上回りました。参考までに調べてみたところ、2017-18シーズンの両チームが対戦した6試合(チャンピオンシップ含む)のスタッツを比較すると、1試合※を除くと、ペイント内の得点数が多いチームが勝利しています。
※2018年1月26日第17節、ペイントエリア内の得点は千葉ジェッツが42-40と上回ったが、川崎ブレイブサンダースが87-80で勝利)

千葉ジェッツとしては、ファジーカスがいない川崎ブレイブサンダースに、ペイントエリア内の得点数で上回られるとは思っていなかったと思います。018-19シーズンから加入した、バーソン・マグリン、シェーン・エドワーズという選手たちは、ファジーカスの不在を感じさせませんでした。

千葉ジェッツのプレーを見ていて、気になったのは、コミュニケーションの問題に原因があるミスが多かったことです。ディフェンスのマークの受け渡しができずにノーマークでシュートをうたれたり、オフェンス時に選手が決められたポジションにつくときに、選手が同じ場所でボールを受けようとしたり、声をかけたり、戦術を理解していれば、防げたミスがいくつか見られました。

第2節の三遠ネオフェニックスとの試合を見ていると、守備でのマークの受け渡しの問題は時間が経つに連れて改善されたように見えましたが、オフェンスの問題はまだ改善されたようには見えません。

特に第1戦では千葉ジェッツの選手たちのボールを受けるアクションが少なく、第4Qに小野のポストアップを多用してシュートチャンスを創り出しているのを見たとき、勝利への執念と、機能しないチームへのもどかしさを感じてしまいました。

第2戦も勝利をおさめましたが、4Qはわずか7得点に終わり、安定して、狙い通りのオフェンスを仕掛けることはできていません。第1戦に比べるとボールを受けるアクションの量は増えましたが、メンバーが代わると、急にアクションの量が減ります。

特に、ジョシュ・ダンカン、田口といった新加入選手は、まだまだ千葉ジェッツの戦術に適応し、スムーズに動けているようには見えません。スムーズにチームが機能するには、時間が必要だと感じました。

2連勝した川崎ブレイブサンダースの課題

第1節に連勝した川崎ブレイブサンダースも、課題がないわけではありません。第2節の滋賀レイクスターズとの2試合を見ていて気になったのは、ファジーカスと新たに加入したマグリンとシェーン・エドワーズの2選手との連携がスムーズではなく、お互いにプレーしたいエリアが重なっていたことです。


バーソン・マグリンとシェーン・エドワーズは、スピードがあるので、ペイント内に走り込んでパスを受けるのを好む選手に見えますが、ファジーカスはペイント付近で止まった状態でパスを受けるのを好むので、プレーしたいエリアが重なったり、マークを外せなかったり、他の選手が動きたいスペースを消してしまっているという場面が見られました。

両チームのヘッドコーチは焦っていない

ただ、千葉ジェッツの大野ヘッドコーチも、川崎ブレイブサンダースの北ヘッドコーチも、課題が出ているからといって「すぐに解決しなくては!」と焦ってはいないと思います。今は課題を洗い出して、何を優先して取り組むべきか、検討している段階だと思います。

何も変化がなければ問題ですが、どうチームが変化し、どう改善していくのか。そんな試行錯誤の過程を一喜一憂しながらブースターの皆様は楽しんでほしいと思います。

西原雄一

2013年10月にブログ「nishi19 breaking news」を開設し、主にサッカー、バスケットボールに関する試合の分析記事を執筆。現在はnote(https://note.mu/nishi19)内の有料課金マガジン「勝ち負けだけじゃないスポーツの楽しみ方」で、有料会員向けに連載中。「B.LEAGUE 2017-18 選手名鑑・最新観戦ガイド」(ぴあMOOK)では、コラム「Bリーグは「データの力」で見えない壁を超える」を寄稿。また、一般社団法人日本スポーツアナリスト協会の広報委員として、様々な競技のスポーツアナリストの活動をサポートしている。
Twitter:@nishi19

千葉ジェッツ
川崎ブレイブサンダース

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