Analyst report「日本 VS イラン」

COLUMN | SEP. 19, 2018

スポーツアナリスト西原雄一が分析する観戦レポート「Analyst report」。Vol.4では2次予選4連勝となったイランを迎えたホーム戦をアナリスト視点で斬る!

Photo/©JBA

10点差をセカンドユニットが出場している時間で追いつく

勝敗を分けたポイントとして挙げたいのは、「2Q 残り8分49秒からの3分間で10点差を追いついたこと」です。
2Q残り8:49時点では、16-26でイラン代表が10点リード。この試合最大の10点差がつきました。しかし、日本代表はここから残り05分28秒までの約3分間で10-0のラン。同点に追いつきました。

10-0のランにつなげたときに、主に試合に出場していたのは、篠山、田中、馬場、アイラ・ブラウンといった、「セカンドユニット」と呼ばれる選手たちです。得点の内訳は、アイラ・ブラウンが6点、竹内が2点、そして渡邊のスティールからのレイアップで2点。八村は得点してません。

八村がベンチで休んでいて、渡邊もベンチで休んでいた時間で点差を離されることなく、むしろ10同点に追いついたことが、2Q合計15-13のリード、そして、3Qの26-3というスコアにつながったと思います。

1Q途中で修正したディフェンス

日本代表は1Qからカザフスタン戦で機能したゾーンディフェンスで守っていたのですが、イラン代表は日本代表がゾーンディフェンスで守ってくることを想定していたのか、3PTシュートを2本連続で成功させます。日本代表は、1Q 残り07分29秒で4-8とリードを奪われます。

ただ、日本代表はイラン代表がゾーンディフェンスに対応してきているのがわかったので、ゾーンディフェンスを止めて、マンツーマン・ディフェンスに切り替え、その後は12-14とほぼ互角の展開で1Qを終えることができました。

ベンチメンバーの得点9点中8点が2Qに

そして、2Qが始まると、イラン代表が2本連続でシュートを成功させ、16-26とリードを奪います。もし、この後点差がひらいていたら、3Qで一気に逆転し、引き離すことはできなかったと思います。

16-26になった直後に馬場のアシストで、アイラ・ブラウンが相手のコミュニケーションミスを見逃さず、3PTシュートを成功させます。相手の攻撃にも上手く対応し始め、イラン代表に得点を許しません。

この試合のベンチメンバーの得点は、日本代表が9でイラン代表が14とイラン代表の方が勝っているのですが、日本代表は2Qにベンチメンバーの得点9点中8点を集中させ、イラン代表との点差を最小限にとどめるどころか、一気に縮めてみせました。

素晴らしいパフォーマンスを披露した竹内とアイラ・ブラウン

カザフスタン戦、イラン代表戦ともに、八村と渡邊の活躍に注目が集まりがちですが、この2試合は竹内とアイラ・ブラウンという、これまで日本代表を支えてきたインサイドプレーヤー2人が素晴らしいパフォーマンスを披露しました。

イラン代表戦は、竹内が22分31秒の出場で、4得点7リバウンド2アシスト。ブロックショットとスティールも1つずつ記録しています。アイラ・ブラウンが24分51秒の出場で、6得点7リバウンド1ブロックショット。八村を含めて3人で、ときにはマークする相手をスイッチしながら、イラン代表の屈強なインサイドプレーヤーに対して上手く対応してみせました。

リバウンドの合計数は38-44とイラン代表の方が多かったのですが、ディフェンスリバウンドは26-26と互角以上に渡り合いました。この2人の奮闘無くしては、イラン代表相手に勝利することはできなかったと思います。


イラン代表のキーマンに仕事をさせなかった田中

2得点しか挙げていませんが、田中の活躍も光りました。田中はスターティングメンバーの比江島より長い22分10秒出場し、2つのスティールを記録。渡邊がマークした8番のベヘナム・ヤハチャリと並ぶキープレーヤーである13番のモハマド・ジャムシディをわずか3得点に抑え、イラン代表を2Q以降34点に抑える立役者となりました。

田中はアルバルク東京では、シュートチャンスを作り出す役割を担っているので、オフェンスが得意なプレーヤーだと思われがちですが、実は田中はディフェンスで相手を抑えるプレーも長けた選手です。2得点しか挙げていないというのは、田中にとっては不本意かもしれませんが、相手のキーマンをきっちり抑えるという、チームから求められていた仕事はきちんとこなしていたと思います。

次の日本代表の試合は11月。八村と渡邊は出場できない可能性が高いと言われる2試合で、選手たちがどんなプレーを披露するのか。Bリーグでしのぎを削り、より成長した選手たちのプレーが見られるのを楽しみにしたいと思います。

西原雄一

2013年10月にブログ「nishi19 breaking news」を開設し、主にサッカー、バスケットボールに関する試合の分析記事を執筆。現在はnote(https://note.mu/nishi19)内の有料課金マガジン「勝ち負けだけじゃないスポーツの楽しみ方」で、有料会員向けに連載中。「B.LEAGUE 2017-18 選手名鑑・最新観戦ガイド」(ぴあMOOK)では、コラム「Bリーグは「データの力」で見えない壁を超える」を寄稿。また、一般社団法人日本スポーツアナリスト協会の広報委員として、様々な競技のスポーツアナリストの活動をサポートしている。
Twitter:@nishi19

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