若き3×3日本代表がメダルを目指す、積み上げた男子と可能性あふれる女子

COLUMN | AUG. 23, 2018

text by Hiroyuki Ohashi

アジア大会で初の正式種目、目指すはメダル

若き3×3日本代表がインドネシア・ジャカルタで開催中の「第18回アジア競技大会」でメダル獲得を目指す戦いに入った。今大会より3×3はバスケットボール競技で、5人制に加えて、初めての正式種目化(U23の年齢制限あり)。男女の日本代表はトップリーグや大学、高校年代で活躍する国内トップクラスの選手でチームを編成した。8月21日に初戦を迎えた男子代表は、関東大学1部リーグの拓殖大学より荒川颯と宮越康槇、日本大学より松脇圭志と杉本天昇がロスター入り(宮越は当初、選出されたBリーガー・保岡龍斗の怪我により出場)。22日に初戦を戦った女子代表は、WJBLより宮下希保(アイシン・エイ・ダブリュ ウィングス)と5人制にもメンバー入りしている馬瓜ステファニー(トヨタ自動車アンテロープス)、現役高校生の奥山理々嘉(八雲学園高校)と今野紀花(聖和学園高校)が3人制の日の丸を背負った(馬瓜は当初、選出されたWJBL・栗林未和に代わって出場)。




全員が5人制代表候補、可能性にあふれた女子

女子代表は3人制の競技経験が圧倒的に浅いものの、全員が5人制の日本代表候補に名を連ねる可能性にあふれた選手ばかり。栗林と宮下は7月28日、29日に栃木県宇都宮市で開かれた「FIBA 3×3 U23 Nations League 2018」で、山本麻衣(トヨタ自動車アンテロープス)や高原春季(アイシン・エィ・ダブリュ ウィングス)とともに初めて3×3のコートに立ち、2日連続で優勝を飾った。この大会は、FIBA(国際バスケットボール連盟)が世界各国の若手選手たちの育成・強化をサポートするプログラムの一環として昨年より取り組んでいるもので、彼女たちは2日間の事前合宿を経て大会へ入り、2日間で6試合をこなしながら、3人制へアジャストしていった。代表を率いる長谷川誠アドバイザーコーチは、「3×3経験が無い選手を集めてやったなかで、間違いなくこの4日間で(この競技に)フィットしたと思います。個々のポテンシャルが全然違う。“自分たちがこうしよう“というバスケをすぐに表現できたことに驚いています」と、大きな手ごたえを得た。




ただ、アジア大会ではU23 Nations Leagueからメンバーの入れ替えがあった。本来であれば、その4人をそのまま送り出して欲しかったところだが、この年代の選手たちが一人でも多く3人制でプレーすることにより、本人たちのスキルアップや2年後の東京オリンピック、競技全体の普及・認知の広がりにつながるとポジティブに考えたい。5人制と3人制をクロスオーバーした彼女たちの活躍に期待しよう。

国内外で3×3経験を積み上げた男子代表

一方で、男子代表は今季の集大成として、積み上げてきたスキルと経験をぶつける。今年3月に初招集の一報があった際、「最初、代表合宿に行くとなった時には、なにかの間違いかなと思いました(苦笑)」と振り返った選手もいたように、彼らからすれば縁もゆかりも無い中で、スタートとした3人制の活動。しかし合宿を重ね、JBA(日本バスケットボール協会)のJAPAN TOURで場数を踏み、荒川はリザーブメンバーとして6月のFIBA 3×3 World Cupへ帯同。さらに荒川、松脇、杉本の3人は7月に欧州遠征で、3×3世界ランク1位のセルビアに飛び、世界最高のプレイヤーであるDusan Domovic Bulutが主催するトレーニングキャンプに参加した。国内では経験することが少ないスキルトレーニングを重点的に取り組み、その後はピックアップゲームをくり返して、3×3漬けの日々を送ったという。

遠征の締めは、イタリアで行われたFIBA 3×3 World Tour Mastersの下部大会であるChallengerへ初参戦。2戦全敗に終わったが、世界TOP5に入るスロベニアの強豪・Piran戦では、素早いドライブと2ポイントシュート攻勢でリードを奪う展開に持ち込むなど、かみあった時の爆発的な強さを垣間見せた。「僕らが世界で勝つためには、2ポイントを確実に決められるようになることだし、自分だったらスピードで勝負することを第一に考えているので、それが上手くときは、どんなデカいチームでも(戦える)。2ポイントが入れば(当然)差は開くので、自分たちが勝つための試合」と、荒川は一定の手ごたえを感じている。先のU23 Nations Leagueでも優勝こそできなかったが、春先からの継続的な強化の甲斐もあり、「最初のほうは1対1で、なかなかボールが回ってこないことがあったのですけど、合宿や遠征を経て、パスがすごい回るようになった。一番、成長したことはリバウンドの意識で、みんなが積極的に参加するようになった(荒川)」と、着実な歩みを見せている。アジア大会で3×3の新たな歴史を作る姿を楽しみにしよう。

3×3発展のエネルギーとなるか?

男女ともにメダルを手にするためには、男子は5チーム、女子は4チーム総当たりによる予選リーグで、まずは2位以内に入ることが条件となる。5人制と異なり、10分ゲームとは言え、1日2試合をこなす必要があり、短い時間でのリカバリーと、戦術のアップデートをしながら、準々決勝へしっかりと駒を進めていきたいところ。男子は最初の2試合をKO勝利で飾り、上場の滑り出しだ。代表チームとして、4月のAsia Cupを超える好成績を期待したい。彼らの頑張りが、鈴木慶太や落合知也らのトップチームの刺激となり、最新の世界ランクで男子が15位(アジア3位)、女子が12位(同)に位置する日本のレベルを押し上げるエネルギーになると、2年後の東京オリンピック、さらにその先の3×3シーンの発展へ繋がるに違いない。


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