3×3女子リーグで放った存在感と可能性、世界への切符をかけた戦いはクライマックスへ

COLUMN | AUG. 22, 2018

text by Hiroyuki Ohashi

3×3初代女王への戦い

3×3で世界初の女子カテゴリーを展開する3×3.EXE PREMIERは全4ラウンドのうち、3ラウンドが終了。6チームが各ラウンドで3チームずつにグループ分けされ、総当たりの予選リーグおよび、グループの上位2チームによる決勝戦を実施するレギュレーションでプレミアポイントを積み上げて、初代女王を目指す。

ラウンドごとの優勝チームを振り返ると、開幕戦のRound.1(7/29)では、SUNS.EXEとSEKAIE.EXEが1位を決めたが、Round.2(8/5)では、TOKYO DIME.EXEがSUNS.EXEを破って、クラブ初の誘致大会に花を添える初Vを飾り、続くRound.3(8/19)で連覇を達成。TACHIKAWA DICE.EXEもRound.2とRound.3で男子チームとそろってのアベック連覇を成し遂げた。


WNBAドラフト指名選手が過ごした夏

選手にフォーカスすると、ひときわ放つ存在感や、その可能性を感じさせる選手がいた。TOKYO DIME.EXEの#0 Chantel Osahor はRound.2までの出場となったが、インパクトは強烈だった。2017年にWNBAのドラフトで指名(シカゴ・スカイ、2巡目全体21位)された過去を持つ彼女が、ノージャンプで2ポイントシュートを打ち込む姿に、コートサイドからどよめきが起こり、初Vを決めたラウンドでは、負けたら予選敗退の一戦で、188cmの体躯をいかしてパワフルな決勝点をねじ込み、頂点へつなげた。

彼女にとって、3×3も来日も初。「1年前からコーチをしていて、プレイヤーは一歩引いたからとても悩んだけど、すごくタイミングが合ってやることに決めた」と、参戦の経緯を振り返る。本人は語らなかったが、“言葉の壁”も、「自分がやりたいこと、仲間にやって欲しいことを、(彼女が)アピールしてきたので、他の選手たちも、それを理解してやろうとした」と、♯11森本由樹が全員で乗り越えたことを明かした。「中国でプレーしたことがあるけど、日本はより(文化も環境も)オーガナイズされている。まだアメリカは(本格的に)3×3を取り入れていないけど、彼らに魅力を伝えれば、来てくれると思う」と、DIMEで過ごした夏が、この競技のさらなる飛躍に向けたきっかけになると面白い。

3年ぶりの復帰、楽しくてしかたがない

一方で、Osahorに、「彼女はアメリカでプレーしたら成功するんじゃないかなと思う」と言わせた、可能性に溢れる対戦相手がいた。SUNS.EXEの♯25桂葵だ。3×3日本代表やWJBL経験者が居並ぶ中、「サイズがあって、当たり負けせず、ディフェンスやドリブルもできて、シュートも決める」と称賛された。もともと彼女は名門・桜花学園高校から早稲田大学へ進み、4年時にインカレ優勝&MVP。トップリーグにトライできうる実力を有していたが、その後は就職。今夏、3年ぶりに表舞台に戻ってきた。

もちろん復帰までにいろいろと悩みもあったというが、それを払拭してのこと。本業の仕事に励み、まっすぐに3×3へ取り組む好循環で「週末の試合が楽しみで、一週間をわくわくしながら過ごしています」と第2のボーラーズライフを送る。Round.1ではMVPを獲得するも、「自分の調子は正直、全然満足はしていなくて MVP もあまり手放しで喜べないです。まだパフォーマンスには満足していなくて、技術面以上に体を作っているまだプロセスで、まだ(出来は)6割ぐらい」と、発展途上だ。過去、輝いていた自分の姿を知っているが、「“まだまだできるよ”というのをポジティブにとらえています」と、いま感じる自分の伸び代に楽しくてしかたがない。8月11日、12日にはルーマニアの3×3国際大会へ出場して、欧州の強豪チームへ真っ向勝負を挑んだ。「自分が敵わなそうな人と対戦する方が、私は好きです」とOsahorとのマッチアップで向上心をくすぐられていたが、今回の海外遠征も彼女の成長をプッシュしたに違いない。

夏のヒロイン誕生へ、戦いはクライマックスへ

前述した国際大会には、SUNS.EXEがFujisawa Sunsとしてチャレンジした。桂に加えて安江舞、BEEFMAN.EXEの前田有香、SANKAK.EXEの川上麻莉亜の4人は初陣ながら、世界の舞台でその実力を遺憾なく発揮。1勝2敗で予選リーグ敗退の悔しい結果にこそなったが、日本人がガチンコで戦えるポテンシャルを示した。この奮闘ぶりに、刺激されたPREMIER選手は少なくないはずだ。



シーズンチャンピオンに向けて残すは今週末のRound.4(8/25,26)のみ。さらには彼女たちの活躍で、上位2位までに付与される3×3.EXE PREMIER World Gamesの出場権は価値がより一層高まった。首位に立つ・TOKYO DIME.EXEから5位・BEEFMAN.EXEまでは2ポイント差以内の混戦であり、夏のヒロイン誕生へ、その戦いはクライマックスへ向かう。

3×3.EXE PREMIER WOMENS

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