3×3クラブ世界No.1目指す舞台で感じた海外勢とのギャップ、日本はどう対峙するのか

COLUMN | AUG. 2, 2018

3×3のクラブ世界No.1を目指す舞台、FIBA 3×3 World Tour Utsunomiya Mastersが7月28日、29日に、栃木県宇都宮市にある二荒山神社バンバ広場に出現した特設コートで開催された。今大会は世界各国より14チームが集結。日本からは3×3.EXE PREMIERの交流戦となるCross Conference Cup DAY3で優勝したTRYHOOP OKAYAMA.EXEが、Okayamaとして3年連続、開催国枠としてBREX.EXEがUtsunomiyaとして2年ぶりに出場した。
text by Hiroyuki Ohashi

クラブNo.1を目指して宇都宮へ強豪が集結

宇都宮に進出してきた海外勢に目を向けると、昨季、クラブ世界一のZemun(セルビア)、現世界ランク2位のLiman(同)を筆頭に、今春のFIBA 3×3 ASIA CUPで覇権を争った選手たちが参戦。Melbourne(オーストラリア)やUlaanbaatar(モンゴル)、Gangnam(韓国)やAuckland(ニュージーランド)に名を連ねた。3×3の習熟度は欧州の強豪が上回るが、彼らも屈強なフィジカルを有し、10分間をハードに戦い続けるチームワークとスキルで息もつかせぬゲームを随所に展開した。

Limanが今季初制覇、狙うは王者超え

過去2年よりも出場クラブの全体的なベースが上がった今大会。2016年、2017年に続く3年目の宇都宮決戦はLimanが制して、今季初めてMastersのタイトルを獲得した。彼らは先週のSaskatoon Masters(カナダ)のファイナルで、世界最強のNovi Sad(セルビア)に敗戦。そこから日本に直行して、初日の予選は万全のコンディションではなかったというが、大会を通じて、しり上がりに調子を上げて、頂点まで駆け上がった。

大会MVPには、準々決勝で逆転のブザービーターを決めるなど、チームをけん引したStefan Stojacicが選ばれた。彼は「(東京)オリンピックにフォーカスするため」、今年4月にエンジニアの仕事をやめて、アマチュアから卒業。6月のFIBA 3×3 World Cupでは初めて3×3のナショナルチームに入り、金メダル獲得に貢献するなど、いま、世界で最も旬なプレイヤーだ。今季の目標は「Novi sadを倒して、ランキングで1位になること」と、同じ国でしのぎを削る世界王者超えを誓う。チームにスポンサーをつけ、「ストレングスコーチやスキルコーチをつけて、戦略的に3×3を研究している」とプロフェッショナル集団として体制を整えており、目標達成は早々に訪れてもおかしくない。

8強止まり、改めて生じた国内と海外のギャップ

一方、日本勢は三度、世界との差を痛感させられた。Utsunomiyaは本戦の予選を目指して、UlaanbaatarとGangnamによるプレ予選に臨んだが、2連敗で終戦。Okayamaは予選突破で、3年連続の8強入りを果たしたが、決勝トーナメントの初戦でZemunに敗れて、悲願の4強入りはならず。いまのMastersは1つ勝つだけでも難しく、その中で選手たちは死力を尽くしたが、やはり“結果”に目は行ってしまう。

5年目を迎えた3×3.EXE PREMIERは、競技経験を積んだチームがリーグをけん引し、外国籍選手やBリーガーの参戦によりレベルを押し上げてきた。しかし選手が激しいプレッシャーに晒されてもなお、競り負けないフィジカルやプレーの精度を持ち合わせるまでになったかと言えば、それはMastersが物語っている。3×3転向後、初の国際大会となった齊藤洋介は「素直に自分たちのやりたいプレーができない」と感じれば、比留木謙司も「ディフェンスのプレッシャーが、日本だとここまでのチームがない」と海外とのギャップを改めて口にした。国内で開かれているリーグであり、いまの仕組みならば、“それも仕方ない”という意見も出そうだが、TOPを目指す彼らはそこでどうやって勝つのかを悩み、模索している。比留木は「世界に基準を合わせた競技レベル。どこを目指すのかということを、日本が一丸となって作っていきたい」と、選手、リーグ、レフリーの三位一体となった取り組みを望んだ。

変化する世界の3x3に、日本は対峙できるのか

いま、この競技は、世界各地でプロリーグが生まれ、ナショナルチームの強化も急速に進んでいる。MastersやChallengerの大会数も増えており、Mastersの賞金総額は今季、史上初の100万ドルに及ぶ。FIBA(国際バスケットボール連盟)の3×3統括責任者・Alex Sanchez氏は「(我々は)ATPツアーのテニスやビーチバレーのようなスポーツをベンチマークしている。3×3で稼いで、フィーチャーされていく選手が増えていくべきだし、そうすることでこの競技がより発展していくと思っている」と、より一層、プロフェッショナルで魅力的な競技する考えを示している。

では日本は世界と対峙できるのだろうか。答えを出すためにもPREMIERには、さらなる進化を期待したい。普及の観点からは国内外36チーム体制となって、盛り上がりの種はまかれている。肝心の競技レベルをいかにして、日常的にワールドクラスレベルまで昇華するか。クラブ単位では、STAMPEDE.EXEが韓国の3×3プレミアリーグに参戦し、YOKOHAMA CITY.EXEらは戦いの場をMastersの下部大会であるChallengerに求めて、積極的に海を渡っており、リーグ主導でも取り組みが欲しいところ。2015年にPiranやSaskatoonなど海外の有力チームを招いた3×3 PREMIER.EXE WORLD GAMESのような大会の復活や、国外の3×3リーグとの交流戦やカップ戦、さらにはJリーグやBリーグのように、実力に応じたチームの階層分けに目を向けてもいいのではないだろうか。

これから日本ではビックイベントが目白押し。来年は3×3のクラブ年間チャンピオンを決めるFIBA 3×3 World Tour Finalが、その翌年には東京オリンピックが控えている。そして、我々はやっぱり、その檜舞台に、自力で立ち、躍動するJAPANの代表クラブ、代表選手たちを応援していきたい。そのためにも、基盤となる国内シーンの発展なくして、それは叶えられないだろう。

FIBA 3×3 World Tour Utsunomiya Masters
3×3.EXE PREMIER

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