高校バスケの3×3で主役交代 5on5のガチ選手がU-18日本選手権に挑んだ冬

COLUMN | DEC. 27, 2017

高校バスケの3×3で主役交代

高校バスケにおける3×3の景色が様変わりした――12月15日~17日に3人制バスケの高校No.1を決める大会、第4回U-18 3×3日本選手権(東京・駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場)が開催された。今年6月に2020年の東京五輪で正式種目化が決定した追い風もあり、前回大会に比べてチーム数は男女合わせて17チーム増の58チームが全国から集結。12月23日に開幕したウインターカップ(WC)へ出場する選手やチーム、さらにはその予選で敗れはしたが、全国クラスの実力者が軒並み名を連ねて、大会のレベルが格段に上がった。

女子は宮崎県の強豪・延岡学園高校の主力を揃えたPanthersを、今大会のために約2か月間の練習を積んだ大商学園が延長戦の末に撃破。大阪勢として2年ぶりの女王に返り咲き、“チーム力”を見せつけたが、男子は前回覇者のALBORADA youthや準優勝の習志野市立習志野高校(千葉県)が “個”の際立つチームに相次いで敗戦。いずれも各都道府県で5on5のトップクラスの選手やチームが台頭したことで、主役の交代を余儀なくされた。

全員が国体選手のSTAMPEDEが初優勝

初出場で初優勝を飾ったSTAMPEDEユース。ロースター全員が大分県の国体選手であり、3×3の世界最高峰リーグである3×3 PREMIER.EXEを戦ったSTAMPEDE.EXEのサポートを受けて、一気に頂点まで駆け上がった。SMOKY’S(兵庫県)との決勝では残り3分を切って、17-20とK.O負け寸前まで追い込まれたが、ペイントエリアの攻防で踏みとどまると、大会MVPに輝いた♯3森川凌の逆転2ポイントシュートが決まり、21-20で試合をひっくり返した。

このビックショットを撃ち込んだ168cmの男は創部からわずか2年で、WC県予選の決勝まで勝ち上がったチームの主力だ。しなやかなシュートフォームから高確率でジャンパーを決め、タイトなディフェンスに対してもドリブルで自分の間合いに持ち込み、躍動感溢れるドライブで得点やアシストを量産。「5人制とまた違う感じで楽しいです。どんどんシュートが打てますし、3人なのでコートが広く使えてやりやすい」と、初めての3×3について振り返った。

「YouTubeでちょっと(3×3を)見たことあるぐらいで、(大会に向けても)2、3回の練習をしたぐらいです」と、実践経験がほぼゼロであったことも明かしたが、“勝負所”でシュートを決めきるメンタルで、コートに鮮烈なインパクトを残した。

SMOKY’Sが自発的な3×3で準優勝

一方、準優勝に終わったがSMOKY’Sは準々決勝で前回大会2位の習志野市立習志野高校、準決勝で前回大会優勝のALBORADA youthを破り、見事な戦いぶりだった。彼らは兵庫県のWC県予選でベスト4になったチームの選手が主体であり、♯46原勇気は今秋の国体で33得点を挙げた過去を持つ。今大会の決勝では、コートサイドのMC MAMUSHIが「ノーガードの打ち合い」とシャウトしたSTAMPEDEユース・森川と2Pシュート合戦を演じた。敗れはしたが、「もうやったろうかなと思って(笑)」と、ゲームをガッツリ満喫していた様子だった。

さらに特筆すべきことに、彼らは自発的に3×3をやり始めたということだ。推薦や招集されて出場するケースが多い中、「インターネットで(兵庫県予選の開催を)見て、チームを作って出ました。そこで優勝したら全国大会への出場になって、(顧問の先生も予選で)優勝すると思っていなかったので、ビックリしていました」と、ここまでの経緯を教えてくれた。この日の結果は、選手たちの意志を尊重して3×3へ送り出した先生もさらにビックリすることだろう。

WCへの出場は叶わずとも、高校最後の全国大会で2位なんて、そうそう経験できることではない。原は初めての3×3を終えて、「(今回は)セットプレーが全然なくて、個人の能力でやっていたので、次に出るときは同じメンバーでセットオフェンスを作ってもう一度挑戦したいです」と、機会が整えば今後の3×3に意欲を見せた。是非とも帰ってきてくれ。

変化の訪れたU-18日本選手権をより魅力的に

高校生たちはインターハイ、そしてWCへの出場を大きな目標に掲げる。そんな中、3年間ガチでバスケをやってきた彼らが3×3の頂点を決める戦いにやってきた。5on5がメインストリームの高校バスケで、このU-18カテゴリーに目に見えて訪れた変化は、新時代の到来を予感させる。ALBORADA youthを率いる中祖嘉人氏や、習志野市立習志野高校のバスケ部で顧問を務める黒田裕氏といったユース年代の3×3を引っ張る関係者も今大会の様子に目を見張った。決勝の両チーム以外にも、14年ぶりにWCに出場した高松商業高校(香川県)は、本番前の大事な調整時期の参戦で、ベスト8に進出。

♯25山中馨斗は「少しでもウインターで勝てるために何かひとつでも拾っていけたらと思って戦いました。(3×3の)攻守の切り替え(の意識)は、役立つと思います」と冬の大一番へ向けて収穫を口にしていた。またWCで2連覇を目指す福岡第一高校は、3年連続でDAIICHIとして参戦。悔しくもベンチ登録から漏れた4人の3年生たちが、「これをきっかけにウインターにでるメンバーにも(良い)影響が与えられるように挑みました(♯43汐見優有人)」と、ベンチ入りメンバーを後押しする気持ちで戦い、ベスト8に食い込んでいる。

そして願わくは、この盛り上がりを一過性のものにせず、持続的かつ発展的なものへ取り組むことを3×3関係者には望みたい。スキルやメンタルで高いレベルの選手たちは、この競技の次世代を担う可能性が十分にある。何もしなかったら、この3日間は“高校生活の良い思い出“で過ぎ去るだろう。3年後には五輪もある。U-18日本選手権が高校生たちのポテンシャルを引き出し、将来の飛躍につながるより魅力的な舞台にもっとなっていくべきだ。

text by Hiroyuki Ohashi

JBA 3×3 Official

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